広域連携進め誘客を 豪雨を受け報告会開く 由布院温泉観光協会
2017年10月21日(土) 配信
大分県由布市の由布院温泉観光協会(桑野和泉会長)は9月28日、大阪市内のホテルで旅行会社や報道関係者を招き、7月の九州北部豪雨で観光客数が落ち込むなか、現状と今後の展開などを説明する「おんせん県おおいた由布院温泉の今、そしてこれから」と題した報告会を実施した。
冒頭、由布市まちづくり観光局の生野敬嗣氏が、九州北部豪雨の影響で県全体の宿泊客数が8月以降、1―2割減で推移していると説明。豪雨で橋が流失したJR久大本線の日田―光岡間では不通が続き(来年夏開通予定)、博多―由布院を結ぶ「特急ゆふいんの森号」は現状、小倉経由のルートで運行し所要時間は約5時間かかる。しかし、これは各駅でダイヤ調整のため待ち合わせ時間が多く発生していることが原因で、ほかの特急や在来線を乗り継げば、小倉―由布院は約2時間で移動できる。生野氏は「博多から5時間というイメージが広まっているが、他の特急などを乗り継けばそれほど時間はかからない」と強調した。
桑野会長は由布院温泉のコンセプトや今後の方針を説明した。
滞在型保養温泉地づくりに取り組む同温泉では、組合加盟の宿泊施設が約100軒あり、宿泊料金も8千円から6万円とさまざま。桑野会長は「多様な旅のスタイルに対応できるのが由布院の特徴。近年は温泉街の飲食店も充実し、1泊朝食プランも出始めている。スイーツのお店も豊富で、女性客に喜ばれている」と話し、由布院の新しい観光スタイルを紹介。
また、「由布院の魅力は由布院だけで成り立っているのではない」として、周辺の観光地との連携を強化する考えを示した。既に由布院と熊本県阿蘇を結ぶ観光道路「やまなみハイウェイ」のエリア7市町村で、「やまなみハイウェイ観光連絡協議会」を今年2月に設立。今後、黒川温泉などと連携し情報発信や企画を展開するという。
来年2―3月ごろには、JR由布院駅に「由布市ツーリストインフォメーションセンター」がオープン。由布院だけでなくオール大分の観光情報を発信するほか、旅の図書館なども設け、交流拠点として活用する。