〈観光最前線〉忘れられない音のはなし
2017年10月21日(土) 配信
口承で語り継がれてきたアイヌ語を、初めて音として意識したのは2年ほど前。「60のゆりかご」という子守歌をWebで聴いたときだ。聞き慣れない音の繰り返しに、普段使わない感覚が起こされるように思えた。「癒しと畏(おそ)れの同居」。後にぼんやり考えると、そんな言葉が浮かんできた。
先日、福島県喜多方市の農家民宿に泊まった。囲炉裏を囲み飲み交わす地酒や、心づくしの料理も忘れがたいが、抑揚が独特の会津弁が一番の思い出になった。言葉遊びではないが、こちらは「やさしい声でもつれを解いてもらう」感じ。
地域の魅力を伝える手だてとして「画像」が注目されている。そんなときだからこそ「音」を題材にした企画や広報もおもしろいのでは。
【鈴木 克範】