てるみくらぶの逮捕「遺憾」、JATA志村理事長
2017年11月9日(木) 配信
経営破綻した「てるみくらぶ」の山田千賀子社長が逮捕されたことを受け、日本旅行業協会(JATA)は、11月9日(木)の定例記者会見で、志村格理事長のコメントを発表した。「旅行業界から逮捕者がでたことは遺憾」とのこと。
警察当局に対する捜査協力については、現時点での要請はないものの、求められれば積極的に協力すると強調した。被害が明るみに出て以降、被害者対応に邁進してきた同協会。認証業務を円滑に進めるため、観光庁認可のもと弁済業務規約を変更し、申請手続きの簡易化も行っている。
最大9万人が被害を被ったとされる、てるみくらぶによる今回の事件。同社が2013年9月期から架空利益の計上などの粉飾を行い、翌年の9月期には債務超過に転落していたことが分かった。16年9月期の貸借対照表を見ると、112億円(修正後)に上る流動負債額が50億円(修正前)にされていた。総資産額についても大幅に水増しされていた。なお、16年9月期の損益計算書では、約50億円の営業赤字を、1億1800万円の黒字(営業利益)としていた。
JATAでは再発防止に努めるとしているが、黒字決算を装う悪質な企みへの対処は極めて難しい。関係省庁とも協議を進め、業界の信頼回復に努める構えだ。
なお、今回の逮捕は、有印私文書偽造といった詐欺の疑いによるものと見られる。