バス協、第62回全国バス事業者大会開く
2017年11月17日(金) 配信
日本バス協会(三澤憲一会長)は11月16日に鹿児島県・城山観光ホテルで、第62回全国バス事業者大会を開いた。
約400の会員が出席。安全輸送決議などを行ったほか、第2部で講演を実施した。三澤会長は「安全運転の徹底をお願いしたい。業界内に問題は山積しているが、共に知恵を出し合い、諸問題の解決を着実に進め、バス業界をさらに発展させていきたい」と会員らに呼び掛けた。
今冬に軽井沢スキーバス事故後、2回目のスノーシーズンを迎える。事故を踏まえ、安全対策が数多く講じられている。三澤会長は「道路運送法改正で事業者の更新制や、適正化機関の巡回指導なども始まっている。事業者の信頼を回復するためにしっかりと取り組む」と力を込めた。国土交通省に対しては「安全を軽視するような事業者には参入抑制と、早期退出を強力に働きかけていく」と強調した。
大会ではバス事業の健全な維持発展をはかるための「政策要望決議」と、安全・安心の決意を徹底する「安全輸送決議」が決議された。安全輸送決議では①基本動作の励行徹底②飲酒運転防止対策マニュアルの遵守③健康起因の事故防止のため、医師や関係機関と連携できる体制構築--などを盛り込んだ。
このほか「優良運転者日本バス協会会長表彰」で今年度は392人が受賞。受賞者を代表して鹿児島の事業者の3人が表彰を受け取った。
大会2部では講演を2つ実施。NHKのチーフプロデューサー櫻井賢氏が「大河ドラマ『西郷どん』作成の裏側」と題し講演。国交省自動車局旅客課長の金指和彦氏は「バスを取り巻く最近の情勢について」の講演を行った。
金指氏はバス業界の需給状況などを説明したあと、バス事業者のインバウンド関係の取り組みを紹介。事例として南薩観光(菊永正三社長)を中心とした事業連合のJCAなどを紹介した。JCAは国内外へ貸切バス販売を促進を目指している。アライアンスを組み、全国を縦断できるバスツアーを企画。金指氏は「本格始動は来年かと聞いているが、大変期待している」と述べた。
大会終了後には懇親パーティーを開催。多数の来賓が駆けつけ、盛会裏に終了した。なお、来年は北海道札幌市で開催の予定。