寒中みそぎ祭り1月に 北海道木古内町の真冬の神事
2017年11月17日(金) 配信
北海道・道南の木古内(きこない)町で2018年1月13日(土)~15日(月)に、天保2(1831)年から続く真冬の神事「寒中みそぎ祭り」が行われる。
毎年、「行修者(ぎょうしゅうしゃ)」と呼ばれる4人の若者が、1月13日(土)から町内の佐女川(さめがわ)神社にこもり、いく度となく冷水で身を清め、15日(月)には、みそぎ浜で厳寒の津軽海峡に飛び込み、御神体を清めて1年の豊漁豊作を祈願する。この際に行修者が身を清める冷水や津軽海峡の水しぶきを浴びると、無業息災のご利益があると言われている。
期間中は「寒中みそぎフェスティバル」も開かれ、北海道新幹線・木古内前通りの「イルミネーション」や14日(日)夜の「冬花火の舞」、「かがり火」、「ワックスキャンドル」など、木古内の町をさまざまな明かりで照らす。
一昨年の全国の品評会で日本一に輝いた特産「はこだて和牛」の魅了フェアや郷土料理「こうこう汁」、「みそぎ鍋」など、地元を代表するグルメの数々も楽しめる。
□開催概要
期間:2018年1月13日(土)~15日(月)
(フェスティバルは14日(日)の夕方~15日(月)に開催)
会場:佐女川神社、みそぎ公園ほか
駐車場:会場周辺に無料駐車場を用意
問い合わせ:木古内町観光協会
TEL:01392(6)7357 (受付:平日午前9:00-午後5時)
□寒中みそぎ祭り
「寒中みそぎ」が始まったのは1831年。
この年、神社守の夢枕に「御神体を潔(きよ)めよ」とのお告げがあり、目を覚ますと寒気肌さす1月15日の早朝だった。神社守は直ちに真下を流れる佐女川の氷を打ち砕き、身を切るような冷水で自身を清め御神体を抱いて海岸にのぞむと、河口に大鮫が波に打たれ、その背中の上に美しい白衣をまとった女性の姿が見えた。
「あぁ、聖なる神の使者」と信じ、御神体をいく度となく沐浴し、ふと見ると女性の姿は見えず、大鮫は川の上流へ上がり小さな沼に消されたという。その年から、豊漁豊作が続いて村は大変にぎわったといわれている。
以来、行修者と呼ばれる4人の若者が1月13日から佐女川神社に籠もり、昼夜問わず真水で何度も自身の身体を清め、毎年1月15日に別当・稲荷・山の神・弁財天の4体の御神体を抱き、厳寒の津軽海峡に飛び込み、その年の豊漁・豊作を祈願する伝統行事として引き継がれている。来年で188回目を迎える。