小松市で石の都プロジェクト始動
2017年12月4日(月)配信
こまつ観光物産ネットワーク(石川県小松市)が、市の地域ストーリと魅力を発信する「石の都プロジェクト」を始動。現在も採掘が行われる石切り場を、12月14日(木)からライトアップする。
弥生時代の碧玉(へきぎょく)つくりから2300年にわたり、人・モノ・技術が交流する豊かな石の文化を築き上げてきた小松の人々。2016年にはこの地域ストーリー、「『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~」が、文化庁の日本遺産として認定された。今回、構成文化財の「滝ヶ原石切り場」を25日(月)までの毎日午後5時~9時の間ライトアップする。現在稼働する石切り場では、大型電動鋸で掘削された切り立つ採掘坑が300㍍続き、旧石切り場では藩政期から昭和にかけて人力で掘削した採掘坑を見学できる。
□小松市の日本遺産 スポット紹介
歴史と文化を知る 小松市立博物館
小松市の歴史、石の世界の魅力を知ることができる県内唯一の総合博物館。歴史・美術などの人文資料や化石・標本・剥製などの自然科学資料も併せて5万点あまりの収蔵資料数を誇る。
まるで青の洞窟 鵜川石切り場
いたるところに貯まった地下水が、角度によって青にも緑にも照らし出され、幻想的な世界を味わえるスポット。飛鳥時代の河田山古墳の石室から近世の小松城の石垣、そして近代建築物にまで長い時代にわたって多用されてきた角礫凝灰岩石材の産地。
1300年の歴史を持つ白山信仰の古刹 那谷寺
「白山之記」に白山三カ寺のひとつとされる古刹で、古くは岩屋寺と呼ばれていた那谷寺。一向一揆による戦火で荒廃したが、江戸初期、加賀前田家三代利常公が再建。周辺景観にも定評があり、散策コースとしても人気の観光スポットとなっている。
石文化の原点 滝ケ原アーチ石橋
滝ヶ原町に現存する5橋のアーチ型石橋。滝ケ原石を使用した石橋で、全国的に見て石橋の現存が乏しい本州で、5橋が集中して残されていることは極めて貴重といわれる。さらに、滝ヶ原のように石橋が山間の自然河川に残されている例は珍しく、周辺の自然環境と一体をなす美しい文化的景観が見られるのが特徴。
ここでしか味わえない独特の世界観 「ハニベ巌窟院」
ハニベ巌窟院は、1951年に初代院主の都賀田勇馬よって開洞された。初代院主が世界平和と人類繁栄を願い黙々と仏をつくり続け、この洞窟に作品を安置したのが始まりとされる。洞窟内には、さまざまな仏像が展示され、独特の世界観が広がる。また、「地獄門」と称される地獄世界を表現したエリアでは、地獄の住人たちを模したオブジェが数多く並べられ、「地獄めぐりができるスポット」として密かに人気を集めている。