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【楽天ライフルステイ・太田宗克社長に聞く】「特定のプレーヤー、排除しない」

2017年12月1日(金) 配信

太田 宗克 氏
楽天トラベル執行役員国際事業部長、楽天逸行(北京)信息科技董事長兼総経理などを歴任。17年より現職。

 6月の設立後、海外の民泊プラットフォーマー(仲介業者)との提携を積極的に進めてきた楽天LIFULL STAY(楽天ライフルステイ)。社長の太田宗克氏は、楽天トラベルの黎明期にも携わったオンライン旅行業界の先駆者。「徐々に段階を踏みながら、楽天トラベルと同様に規模を拡大していきたい」と力を込め、民泊業界の健全化にも意欲を示した。

【謝 谷楓】

 ――住宅宿泊事業法(民泊法)の施行(2018年6月15日)に合わせて、自社仲介サイト「VACATION STAY(仮、以下略)」を立ち上げる予定です。まずは、物件の募集開始時期について教えてください。

 物件募集は18年3月中旬、事業者の申請・登録開始日に合わせて行う予定です。我われは、行政の動きに準拠するカタチで活動をしています。同じ理由で、「VACATION STAY」のサービス開始も民泊法の施行日に合わせているのです。

 ――楽天グループとして、民泊業界で果たすべき役割について。

 民泊法の施行を皮切りに、健全なビジネスモデルの確立を果たしたいという思いがあります。

 ホテル・旅館業界関係者と意見を交わすなかで、問題は違法民泊にあるという印象を持っています。全否定ではなく、一部で蔓延する違法な取り組みを改善してほしい、そうすれば協働も実現可能だという立場の方が多数を占めていると理解しています。

 ホテル・旅館が望む、あるべき民泊市場をつくることが、我われの役目です。プラットフォーマー(仲介業者)各社が、民泊法を蔑ろにしない環境を率先して整備していきたいと考えています。民泊法の施行に合わせてサービスを開始するなど、行政の動きに沿って事業を展開する理由もここにあります。

 法施行後、違法民泊を行うホスト(宿泊事業者)に対し、「仲介業者」各社がどう対応するのかに、強い関心を抱いています。問題が起きればその都度、建設的な話し合いを続ける必要があります。

 ――ホテル・旅館業界のなかには、ホームシェアリング(民泊)と既存旅館業、しっかりと顧客の棲み分けをしてほしいという声もありますが。

 我われの使命は、旅行や宿泊の需要底上げです。民泊業界を牽引することで、旅行や宿泊需要を一層喚起できると考えています。例えば、民泊を利用して宿泊している人が、近くのホテル・旅館へ入浴や食事をしに行ったりすれば、両者間のコラボレーションも生まれ、双方の需要底上げができると思います。

 既存の市場でシェア争いをすることが、目的ではないのです。ホテル・旅館はもちろん、物件の「管理業者」など、特定のプレーヤーを排除する考えもありません。

 ――10月、鯖江市(福井県)との連携を発表しました。古民家の再生など、空き家対策の一環として「仲介業者」との連携に期待する地域が増えてきました。今後は宿泊以外でも、誘客に結びつくアイデアが求められるのではないでしょうか。

 誘客増は、地域全体で取り組まなくてはならない課題です。地域の自然そのものをコンテンツとして考えることが効果的です。

 来訪者が増加傾向にある東南アジアや台湾、香港と違い、日本には四季があり気候の変化が顕著です。グランピングなど、移り変わる自然模様を楽しめるコンテンツが興味を引きつけます。アジア圏からの来訪者数はインバウンド全体の約8割を占めるため、このビジネス機会を逃す手はありません。

 コンテナハウスやトレーラーハウスといった施設は比較的安価で、設備投資の負担も軽く済みます。古民家などの民泊物件と併用してもらうよう工夫を施すことも可能です。コテージなどの宿泊施設は、災害時にも役立ちます。

 観光資源が乏しいと悲観する地方行政関係者はぜひ、地域の自然そのものに着目してほしいと思います。

 ――「仲介業者」楽天LIFULL STAYの強みについて。

 「宿泊事業者」がワンストップで、事業を営める状況を整えています。販売面から清掃といった管理業務、家具の販売・レンタルまで、民泊物件の運営をトータルでサポートします。仲介サイトのみの利用も受け付けています。

 国内客とインバウンド、双方の取り込みを支援する用意があります。国内では、9千万人を超える楽天会員(ID数、17年9月)をターゲットにすることができます。

 ホームアウェイ(米国)や途家(トゥージア、中国)、アジアヨー(台湾)ら、各国・地域で高い知名度を誇る「仲介業者」との提携にも注力してきました。「VACATION STAY」に物件を登録すれば、インバウンドにもリーチする仕組みが完成しています。

 ――手数料などについて。

 「宿泊事業者」からは、3%の仲介手数料を募ります。「VACATION STAY」では別途、ユーザーからももらい受けます。

 提携先の「仲介業者」ごとに、手数料の募り方が異なるため、「宿泊事業者」が望む収入を得られよう、価格面の調整も行います。安心して物件を掲載できる体制づくりに励んでいます。

 物件の代行運用手数料については、物件の広さや、登録種類(マンスリー賃貸や簡易宿泊所など)によって異なります。上限は25%となります。詳細は今後、アナウンスする予定です。

 ――不動産会社を対象とした、法人営業に力を入れている印象を受けますが。

 6月の設立以降、取り組みを説明するセミナーを開いてきました。法人が個人の参加者を若干上回っています。ピンポイントでの営業活動が難しい個人「宿泊事業者」については法の施行以降、楽天会員の基盤を活用するなど、取り込みを加速していきます。

 なお、都心部では宿泊提供日数が180日に制限されているため、マンスリー賃貸や簡易宿泊所と併用した運営が活発になると予測しています。マンスリー賃貸の残室を、民泊物件として販売できるシステムも構築中です。エリアや登録種類など、各物件に適した対応を目指します。

 ――ありがとうございました。

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「【楽天ライフルステイ・太田宗克社長に聞く】「特定のプレーヤー、排除しない」」への2件のフィードバック

  1.  はじめまして、横浜市在住の75歳の男性です。「人生100年時代」と言われ始めている昨近、好きなハワイ音楽の講師をして元気に過ごさせてもらっている私としては、もうひと働きしたいと思っています。そこで今話題になっている民泊オーナーに強い関心を持っていて、その実現のためには「信頼できる運営代行会社とのコンタクト」が必須と考えています。ただ今、楽天ライフルステイ太田宗克社長のお考えを拝見して、まさに私の民泊に期待する考えに沿った方針を打ち出されていることに感動しました。これからの私の生き方を思うとこの事業にかける思いがさらに強くなり、いま、民泊事業参入を始めた楽天ライフルステイとともに残りの人生を歩んで行きたいと思っています。

  2. キャンセル処理の方法がわからない。

    他のサイトは内外含めあるのに意図的に
    隠している様、ホテル側も困っていた

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