「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(12月号)
2017年12月16日(土) 配信
〈巻頭言〉
アフリカ政策の重要性をうたうエマニュエル・マクロン仏大統領は、11月末にアフリカ3カ国を訪れました。その歴訪直後に発行した今号の特集では、日本とアフリカの交流の歴史やビジネスの現状について、当事者たちのインタビューを中心にレポートしています。文化ページでは、今年のカンヌ映画祭の批評家週間でも上映され、フランスで1月末から公開される平柳敦子監督の映画「Oh Lucy!」に注目。食のページでは、多様化するおせちやお雑煮など「お正月料理」の古今東西に触れています。旅行ページは、広島県の神楽を紹介しました。
(編集長 クロード・ルブラン)
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□特集 「日本とアフリカ:良好な関係」
最近は外交や経済面での関わりが顕著に見られるが、実は日本とアフリカのつながりは古い。サムライの称号を得た最初の外国人は、1579年にイエズス会の宣教師とともに来日し、織田信長に仕えた身長180センチのアフリカ人だという。その後の鎖国、開国、2度の世界大戦、そして高度成長期を経て、日本とアフリカの関係は多様化する。■1993年に日本がアフリカ開発会議の開催を始めると、アフリカとの結びつきはより強くなる。さらに、2012年、アフリカ全土で自動車や医薬品を扱うフランス系商社CFAOを豊田通商が買収したことに見られるように、日本の企業にとってアフリカ大陸は大きな市場としての成長が期待されている。■そうした歴史や社会背景を踏まえ、2015年から日本とアフリカ大陸をつないでいるエチオピア航空や、アフリカにも多くの拠点を持つ自動車輸出会社 SBT JAPANを取材し、今日の日本とアフリカを舞台としたビジネス現場の声を聞いた。■また、1990年に来日し、俳優としても活躍しながら外国人タレント事務所を経営するガーナ出身のエニング・サムエル氏や、ガーナ生まれ日本育ちの3兄弟による音楽ユニット「矢野ブラザーズ」、東京で本場アフリカの味を提供するレストランを経営する日本人男性など、日本に暮らしながら異なる文化の橋渡し役を担い続けている人々の思いにも耳を傾けた。
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□〈ZOOM・JAPON 編集部発 最新レポート〉日本茶はいかがですか?
どんよりとした空の下、すでに雪も降ったパリ。街角のカフェで普段コーヒーを注文する客が、ホットチョコレートに心移りし始めるのもこの季節です。そんなころ、料理教育機関コルドン・ブルー本校にて、日本茶輸出促進協議会によるお茶のセミナーが開かれました。主な参加者はお茶のプロや未来の料理人。試飲を交え、日本茶の歴史解説から始まり、和菓子作りや抹茶を用いた洋菓子作り、手もみ茶実演、そしてフランスの水を使った日本茶の入れ方などが披露されました。飲食業に関わる人々の関心をつかむという今回のような試みにより、将来的にフランスでも日本茶が身近な飲み物になるかもしれません。
フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉