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観光関連予算294億円に、18年度予算から出国税60億円歳入

2017年12月25日
編集部

2017年12月25日(月) 配信

18年度予算が決定

政府は2017年12月22日(金)、2018年度予算案を閣議決定。観光庁関連予算は、前年比15・0%増の293億6500万円となった。また、同日政府は「観光立国推進閣僚会議」で19年1月に創設される「国際観光旅客税(仮称)」の使途に関する方針を決定。18年度予算では、19年1月7日からの徴収で総額60億円を歳入。そのうち、32億5千万円を観光庁が計上しCIQ体制の整備など新規性・緊急性の高い施策に充てる。

 観光庁関連予算の内訳として、一般会計が同18・0%増の248億円、復興枠は昨年同様で45億6500万円となった。「訪日プロモーションの抜本的改革と観光産業の基幹産業化」「『楽しい国 日本』の実現に向けた観光資源の開拓・魅力向上」「世界最高水準の快適な旅行環境の実現」を3本柱とし、訪日旅行の振興のみならず、「旅行安全情報等に関する情報プラットフォームの構築」にも力を入れていく。同事業は、概算要求後に盛り込まれたもので、国際観光旅客税(仮称、以下出国税)から1億円を投入。観光庁として初のアウトバウンドに特化した事業への予算措置となる。

 3本柱の中で107億6800万円と最も大きい予算額となった「訪日プロモーションの抜本的改革と観光産業の基幹産業化」では、うち13億円を出国税としての財源に企てる。「訪日プロモーションの抜本改革」に同15・0%増の100億1100万円を計上し、国別戦略に基づく市場別プロモーションなどを行っていくほか、出国税13億円を投入し、訪日無関心層に向けた「訪日グローバルキャンペーン」を本格的に実施していく。

 2番目に大きい予算額が付いた「世界最高水準の快適な旅行環境の実現」は同14・0%増の97億5千万円。うち12億円は出国税。「訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業」に同13・0%増の96億3200万円を計上し、出国税11億円を投じてICTを活用した多言語コミュニケーションの支援、無料公衆無線LAN環境の一層の充実などを行っていく。また、「旅行安全情報等に関する情報プラットフォームの構築」に出国税から1億円を投入し、海外旅行中に万一、テロや災害などが発生した場合、日本人旅行者の安否確認を迅速に行い、日本人旅行者が安全に滞在・帰国できるように安全情報共有プラットフォームの構築に努めていく。

 「『楽しい国 日本』の実現に向けた観光資源の開拓・魅力向上」は、同23・0%増の27億4900万円となり、うち7億5千万円が出国税としての財源となる。「最先端観光コンテンツ インキュベーター事業」に4億5千万円、「地域観光資源の多言語解説整備支援事業」に3億円を出国税からまかない、「モノ消費」から「コト消費」へと急速に変化を遂げる近年の消費動向に対応していく。

3分野に充当、使途の適正性確保

 出国税の充当事業は、①ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備②我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化③観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上――の3分野。いずれも12月14日に取りまとめられた18年度税制改正大網に示されていたものだ。

 観光財源を充当する施策は、既存施策の財源の単なる穴埋めではなく、「受益と負担の関係から負担者の納得が得られること」「先進性が高く費用対効果が高い取り組みであること」「地方創生をはじめとする我が国が直面する重要な政策課題に合致すること」を基本的な考え方に据えている。

 そのため、使途の適正性を確保するため、受益と負担の関係が不明確な国家公務員の人件費や国際機関分担金などの経費には充てないこととされている。また、充当する3分野については観光庁所管の法律を改正し、法文上使途として明記するほか、予算書についても観光財源を充当する予算を明確化する。そのほか第3者による行政事業レビューを最大限に活用し、適切なPDCAサイクルの循環をはかっていく。

 なお、出国税の税収が満年度化する19年度予算以降は、硬直的な予算配分にならず、毎年度洗い替えが行えるよう、観光戦略実行推進タスクフォースで、民間有識者の意見も踏まえつつ検討を行い、予算編成を行っていく。また、予算の総合性の確保などをはかる観点から、観光財源を充当する具体的な施策・事業を観光庁に一括計上。その後関係省庁に移し替えて執行していく。

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