国際観光旅客税の使途を議論、第5回観光立国推進協議会
2018年1月18日(木) 配信
オールジャパン体制で観光立国の実現を目指すための組織「観光立国推進協議会」(委員長=山口範雄・日本観光振興協会会長)は1月17日、東京都内のホテルで第5回の会合を開いた。観光団体や関連企業の協議会委員ら約100人が参加。2019年1月から導入が検討されている「国際観光旅客税(仮称)」の使途を中心に意見を交わした。また、委員のアンケートに基づいた行動計画の改定版も発表した。
山口委員長は、第1回協議会からの5年間を振り返り、「政府の動きや環境の変化を踏まえて、昨年から『観光先進国実現に向けた行動計画』を作成し、実践に入った。観光教育やDMOを具体的に進めるための専門部会を立ち上げてきた」と報告した。今年から来年にかけては一層の環境変化が予測されるなか、「協議会は直接的な観光業界だけではなく、幅広い分野から集まっていただいている。業種の垣根を超えた自由な意見交換をし、今後の具体論を考えていきたい」とした。
来賓の観光庁の田村明比古長官は、訪日旅行について、需要の増大とともに個人旅行化とコト消費化が進み、質量ともに受入体制の整備が必要だと訴えた。国内・海外旅行は市場の成熟化が進行するなか、多数の消費対象のなかから選択してもらうために、ビジネスモデルの根本的な変革が求められていると言及。「すべてにおいて、今後はステージの異なる高次元の観光施策の実行を加速していく必要がある」と述べた。
国際観光旅客税については、観光庁の水嶋智次長が、観光財源のあり方を検討した有識者会議の内容を改めて紹介。観光財源の使途の適正性を確保するため、予算は観光庁に一括計上したうえで、その後関係省庁に移し替えることを検討していると強調した。「その年のニーズに合わせ毎年洗い替えができるように、民間の意見も踏まえて検討を行う。業界の皆さんからも使途にお知恵とアイデアをいただきたい」と呼び掛けた。
委員からは、2次交通の充実や東京五輪に向けた保安体制の強化、観光案内所の充実、デジタルマーケティングを活用した情報発信などが使途への意見として挙がった。