KDDI×JR東日本 上野駅にいながら南三陸へ、5GとVRを活用
2018年1月25日(木) 配信
東京・上野駅にいながら宮城県・南三陸へ――。1月25~27日まで、5GとVR(仮想現実)を活用したイベントが始まった。KDDIが主体となり、JR東日本の協力のもと実現した。次世代通信システムの5Gは高速通信が売り。4Kと360度カメラの映像を現地から送信し、リアルタイムでコミュニケーションできる。5Gを使用したこの一般客向けイベントは国内初となる。
上野駅構内の特設ステージでVRゴーグルを装着すると、「南三陸さんさん商店街」の高精細な映像が目の前に広がる。リアルタイムでつながるため、商店街の人と会話しながら、買い物を楽しめ、現地にいるかのような体験が味わえる。擬似体験を通して、宮城県の魅力を発信していく。
5Gは高速・大容量と多接続、低遅延が特徴。4Gに比べて10~20倍の速度がある。KDDIでは20年の商用化を目指している。
KDDIとJR東日本では以前から、5Gを用いた実験を行ってきた。「これまでは5Gの実力の下調べのようなもの。今回でお客様の反応を楽しみにしている」。同日に開かられた会見で、KDDI技術統括本部シニアディレクターの松永彰氏は自信をみせる。
今回は5Gの実証実験の側面が強いが、観光面にも寄与している。JR東日本IT・Suica事業本部の髙島昭治課長は「南三陸を知ってもらい、現地の魅力をより深く感じてほしい。多くの人に足を運んでもらいたい」と、旅行需要の喚起にも期待を寄せる。
そもそもJR東日本は2011年から「地域再発見プロジェクト」として、エキナカで地域の産品を紹介・販売する「産直市」を実施。年1回開き、今回は1月25~27日間に、上野駅で宮城産直市を開催。8回目となる。VRイベントも、宮城産直市に合わせて行われた。「(産直市を)さらに盛り上げるべく、最新の通信技術の5GとVRのイベントを企画した」(髙島氏)。
特設ステージは宮城産直市に隣接。宮城産直市では、17年に3月に常設商店街としてオープンした「南三陸さんさん商店街」の商品も取り扱うほか、ご当地キャラクターによる観光PRも行っている。
会見後に行われたデモンストレーションでは、実際に上野駅と南三陸を5Gでつなぎ、VRでショッピングを実施。VRを装着し、体験のモデルを務めたハラさんは「本当に現地の人と話をしながら、買い物ができた」と喜んでいた。
VRイベントは、26日と27日は午後1時から午後4時まで、上野駅中央改札外グランドコンコースで行っている。