全国初、神奈川県で無料スマホ貸し出しへ
2018年1月30日(火) 配信
神奈川県下の観光案内所で、無料無制限のスマートフォン「handy(ハンディ)」を無料で貸し出す実験がスタートする。神奈川県(黒岩祐治知事)とハンディジャパン(勝瀬博則社長)は1月30日(火)に協定を締結。自治体へのハンディ配布は全国で初めてとなる。通信環境整備に頭を抱える自治体は多い。ハンディは4G回線で制限なく使える。県は通信環境と情報を提供しつつ、利用データを集め、今後の観光施策に生かす考えだ。
貸し出し対象者は訪日客。最大3日間連続で利用できる。県はハンディ上に県の外国語観光情報Webサイトや、観光協会のバナーなどを設置して、旅ナカでの情報収集を手助けする。
ハンディ上では地図アプリと連動し、動態データの収集や、観光アンケートを実施。これらを分析し、ハンディジャパンは県のインバウンド事業への活用についてフィードバックも行う。このほか、緊急の災害情報や避難経路などの通知機能も搭載し、訪日客の安全・安心の担保もはかる。
貸出場所は、横浜エリア(横浜駅・桜木町駅・新横浜駅観光案内所)と、鎌倉エリア(鎌倉市観光案内所)、箱根エリア(箱根町総合観光案内所)の3地域5カ所。1カ所につき60台、計300台を配布する。2月中旬から3月末の期間実施。実験結果を踏まえ、4月以降の継続を検討する。
同日に開かれた協定書締結式で黒岩知事は、「(県内は)これまで通信環境が十分ではなかった」と振り返る。同県は17年で約244万人が訪れたが、訪問率は8・5%と、16年から1㌽ほど減少。インバウンド誘致に課題がみえてきた。
「ハンディでWi-Fiスポットを意識することなく、快適な通信環境を提供できる。プロモーションはもちろん、観光統計データも収集し、有力な観光戦略を展開したい」(黒岩知事)と期待を示し、インバウンド事業に力を注いでいく方向だ。
同日には配布される観光案内所の理事らも出席。異口同音に、訪日客の動態把握・分析による「マーケティング強化」への期待を寄せていた。
他方、ハンディは昨年7月にサービスを開始した。12月31日までに23万客室の契約に至り、日本のホテル総客室数の4分の1のシェアを占めるまでに成長。「今回の協定締結を機に、多くの自治体とも連携をはかっていきたい」(勝瀬社長)と展開の幅をさらに広げていく考え。