出国税の使途を規定する法案が閣議決定、4月1日施行へ
2018年2月2日(金) 配信
観光庁は2月2日(金)に、出国税の使途などを定める法律案を閣議決定したと発表した。いわゆる外客誘致法の名称や基本方針、計画などを一部見直した。使途は快適な旅行環境整備と、情報発信強化、地域での体験滞在の満足度向上の3つの分野に絞る。施行は4月1日(日)。17年の訪日外国人は2896万人を超え過去最高。20年の4千万人達成に向け、新たな税収でさらなる誘客を目指す。
税収を使途に充てる場合に、各年度で金額を算出する。要件には、納税者の理解を得られることと、先進的で費用対効果が高いもの、地域経済活性化・課題解決に資するものとした。昨今の旅行形態の変化を踏まえ、各年でニーズに対して予算の洗い替えができるようにした。使途の適正性を担保する考えだ。
従来の法の計画では、海外への情報発信が都道府県単位とされていた。改正法で地方運輸局やDMOらが参加する広域な協議会に主体を移した。行政区間を越えて、多様な主体による観光地域づくりを推進していく。
公共交通事業者への努力義務の範囲も拡充する。これまで多言語化などの措置だけだったが、Wi-Fiの利用環境や決済環境、トイレの洋式化、周遊パスの整備などを追加。訪日外国人の利便性を上げる取り組みを加速させる。
外客誘致法は1997年時点の法律で、当時は訪日外国人が400万人程度だった。約7倍に増えた現在、実情にそぐわない部分も多く、一部を改正。名称は「外国人観光旅客の来訪の促進等による国際観光の振興に関する法律」に変更した。