楽天が、民泊のフロント業務に着手 運用代理大手とも連携
2018年2月2日(金) 配信
楽天コミュニケーションズが2月1日(木)、民泊ホスト(宿泊事業者)や管理業者の運用支援を手掛けるSQUEEZEとの連携を発表した、宿泊者の本人確認や情報、鍵の管理を最新のIoT技術で対応。民泊運営の効率化をサポートする。
2014年創業のSQUEEZEは民泊の運用代行で実績を重ね、契約物件数は500を上回る。専任のアカウントマネージャーによる予約管理や集客対応などの完全委託サービス(mister suite、ミスタースイート)のほか、昨年からは運営管理のみのクラウドサービスsuitebook(スイートブック)の提供も開始した。導入を通じ、マンスリー賃貸と並行した運用が可能となるため、住宅宿泊事業法(民泊法)下での物件運営でも活用できる。
楽天コミュニケーションズは2月1日(木)から、「あんしんステイIoT」サービスをスタートする。ターゲット層はSQUEEZE社と重なるものの、提供するサービスの内容が異なる。SQUEEZE社が宿泊事業者や管理業者を直接サポートするのに対し、「あんしんステイIoT」では宿泊者の確認や個人情報の管理、鍵の受け渡し方法というように、利用者との接点を最新の技術で簡素化。民泊運用の要である人件費の削減に寄与する。同一のターゲットに対し、異なるアプローチで棲み分けと協業が実現した。
楽天グループの強みを生かしたサービス展開が、「あんしんステイIoT」の特徴だ。タブレット端末を利用した本人確認では、通信に楽天モバイルSIMを活用。コールセンターとのテレビ電話をLTEでつなぐほか、セキュリティ体制を高めることで、宿泊者の個人情報流出を防ぐ。鍵の管理については、物理キーを省くことで受け渡しの手間を削減。スマートロックを導入し、自動施錠やカードキー、パスコード解錠にそれぞれ対応する。パスコードは、宿泊者ごとに異なる番号を発行できる仕組みとなる。
SQUEEZE社の提供するクラウドサービスsuitebookとの連携により、宿泊事業者はフロント業務から物件管理まで、民泊経営で生じる事務作業量の軽減を期待できる。
都市部での規制が進むなか、懸念されているのが騒音だ。「あんしんステイIoT」では、騒音検知センサーを導入。録音をせずに、騒音レベルを検知できるつくりとなっている。宿泊者と近隣住民双方への配慮を強化することで、民泊事業全体の健全化にも寄与する。
料金体系は、本人確認機能やセキュリティ対策、LTE SIMの利用(楽天モバイル)、コールセンター機能がついて月額4,300円から。