253万人で過去最高に 目標へ受入整備が急務 2017年訪日クルーズ訪客数
2018年2月20日(火) 配信
国土交通省はこのほど、2017年の訪日クルーズ旅客数は前年同期比27・2%増の253万3千人で過去最高だったと発表した。クルーズ船は、寄港地を中心に1度で多くの観光客が訪れ、地域への消費額が増えるなど期待は大きい。20年の500万人達成に向け、受入環境の整備などが急務となる。
クルーズ船寄港回数は前年比37・1%増の2765回で過去最多。このうち、外国船社が運航するクルーズ船寄港数も、2014回で過去最高を更新。要因として、同省は「中国からのクルーズ船の寄港が増えた」と推測する。港湾別では博多港が326回で3年連続1位となった。次いで長崎港(267回)、那覇港(193回)と続く。
政府は受入環境の整備を促進している。昨年に地方自治体向けに、移動式の搭乗橋設置などに対し、経費の補助制度を創設。17年度で33港に計10億円以上を補助した。
官民連携の動きも進んでいる。昨年に港湾法を一部改正。国が指定した港湾で、岸壁の優先予約を可能にした。これまで優先予約はできず、ツアー造成に支障があった。
今後は港湾管理者が拠点の形成計画を作成したあとに、民間事業者と協定を締結。その後、船社に優先使用を認め、計画に沿って施設整備などを行ってもらう。
20年の500万人達成には単純計算で、約83万人ずつ増えていけばいい。ただ直近3年間をみると、15年は前年比で約70万人増、16年は同87万6千人増、17年は同54万1千人増と、安定しない。
近年10万トン級の大型客船の寄港も増えている。国内の港湾は旅客船専用岸壁が限られているなか、潜在的な需要の取りこぼしを無くせるかがカギとなりそうだ。