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農山漁村の活性化を 日本ファームステイ協会が設立

2018年2月20日
編集部

2018年2月20日(火) 配信

(左から4人目)平井会長、(右隣り)上山代表理事

 国内の農山漁村の所得向上や地域活性化を目指すため、2月7日に「一般社団法人日本ファームステイ協会」が設立した。平井伸治鳥取県知事が会長を務める。代表理事は百戦錬磨の上山康博社長が務めるほか、農協観光(藤本隆明社長)らが設立発起人に名を連ねている。協会は関係者の調整や品質保証制度の構築などを手掛けていく。

 政府は農林水産省を中心に「農泊」を推進しており、2020年までに農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる地域「農泊地域」を500地域創出する目標を掲げている。現在、実践地域として活動しているのは200地域。一方、さまざまな課題も浮き彫りになっており、それらに一元的に応える支援機能が求められてきた。こうしたことを受け、今回日本ファームステイ協会が設立。地域の課題や政府、利用者のニーズへの対応を行っていく。

 同日、東京都内で開いた会見で平井会長は「最近、増えているインバウンドのお客様は美しい日本に出会うのを楽しみにしている。海外では都会の喧騒は珍しくない。海外のお客様が日本に描くイメージや求めるものは富士山などの自然。東京や大阪以外の地方で農泊の推進をするべきだ」と主張した。

 一方、「農泊のキャパシティはなかなか増えない」と課題も指摘。「体験交流型の民泊に光を当てることで、従来の旅館やホテル業の皆さんとは違う需要を開拓できるのではないか」と述べた。

 上山代表理事は農泊を推進するうえでの課題として、グリーンツーリズムなど教育旅行を中心に受け入れてきた経緯があり、現在ニーズが高まっている個人旅行や訪日旅行者の受入体制が整っていないことを言及。「宿泊施設として、衛生面など一定の品質を担保することが中長期的には非常に重要になる」と語った。また、これまではホームステイ型の農泊が主だったが、ヨーロッパ型の家主不在の別荘タイプの物件を増やすため、古民家活用なども必要になるとした。

 協会の活動としては(1)全国の実践地域の課題解決に向けたコンサルタントや人材マッチングなどの支援機能(2)利用者に安全・安心・満足を提供する「品質保証」の仕組み構築(3)利用者の多様なニーズに応える情報発信・プロモーション機能――の3つを柱に取り組む。まずは5月に予定するシンポジウムをキックオフイベントとして、会員の顔合わせを行う。

 会員は農泊実践者を正会員とし、このほか賛助会員や自治体会員などを設ける。英語名は「Japan Countryside Stay Association」。

 役員は次の各氏。

 【会長】平井伸治鳥取県知事【副会長】皆川芳嗣農林中金総合研究所理事長【代表理事】上山康博百戦錬磨社長【理事】岡崎浩巳地方公務員共済組合連合会理事長▽藤本隆明農協観光社長▽清水清男全国農協観光協会代表理事専務▽小松俊樹時事通信社常務取締役【顧問】久保成人日本観光振興協会理事長▽松山良一日本政府観光局理事長

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