全国すべての新幹線でWi-Fiを、19年度中にほぼ完了へ
2018年2月21日(水) 配信
全国すべての新幹線で2018年度中に、無料Wi-Fiサービスが始まることが2月20日(火)、分かった。19年中にほぼ完了する見通し。政府が同日に開いた観光戦略実行推進タスクフォースで、国土交通省鉄道局から報告があった。訪日外国人旅行者のFIT(個人旅行)化などで、地方部へ重要な足となる鉄道分野の受入整備は課題だった。遅れていた鉄道のインバウンド政策を、大きく加速させていく。
背景にはインバウンドの急増と対応の遅れがある。訪客向け企画乗車券は12年度の69・7万枚から、16年度は477・8万枚と急増。ただ観光庁の調査で、インバウンドが無料Wi-Fi環境を「利用したかったが利用できなかった場所」は、鉄道が27・1%で最多となった。
これらに対し国交省は「鉄道事業者との意見交換・情報共有を進め、インバウンド政策を強力に推進する」との方針を示した。
無料Wi-Fiサービスの取り組みは進む。JR東日本の東北新幹線など(約1千輌)は発表していた今夏スタートから、18年5月からに前倒しした。JR東海の東海道・山陽新幹線(約2100輌)は今夏に始まる。JR西日本、九州、北海道も18年度内に開始。新幹線の108カ所すべての駅でも18年度中にサービスを提供する見通し。さらに海外からの予約を18年度中にすべての新幹線と、全国のJR特急でできるようにする。
インバウンドに人気のジャパン・レールパスでは、国内販売箇所を大幅に増やす。今年3月に16駅・空港から55駅・空港に拡大。ただ、同パスの「一部新幹線は利用不可」「海外からネットで購入できない」などについては、有識者から改善を求める声があった。
インバウンドの利用を促し、その利益を還元して国内外の利用者へサービス向上をはかる。国交省では 今後、JRなどの予約ページ共通化と、このための検討を進めていく。インターネット予約環境の充実や、キャッシュレス化も推進。国内外の利用者の増加や満足度向上に向け、より利用者目線に立ったサービス提供を目指す方向だ。