携帯1つで、ホテル・旅館の予約を実現 Paidyが予約エンジンのダイナテックと提携
2018年2月28日(水) 配信
ショートメッセージサービス(SMS)によって本人確認を行う決済サービス「Paidy」(エクスチェンジコーポレーション、杉江陸社長)が、ホテル旅館の予約時にも利用できるようになる。ダイナテック(齋藤克也社長)との提携によるもので、4月を目処にサービスを始める。国内ユーザーをメインターゲットに据える。ファッション系ECサイトを中心に利用され、利用者数は100万人を超える同サービス。今回の連携を足掛かりに、リアル決済分野への進出も目指す。2月28日(水)、東京都内で記者会見が行われた。
ダイナテック社が提供する予約エンジン「Direct In(ダイレクトイン)」とのシステム連携により、ユーザーは予約時の支払い方法から「Paidy」を選択することができるようになる。会員や口座登録などの手続きがいらないため、施設側は成約率の向上を期待できる。
携帯電話番号とメールアドレスを入力すると、ユーザーは電話番号宛に認証コードが記載されたSMSを受け取る。4ケタのコードを指定のウェブ画面に入力すれば瞬時に与信が行われ、決済(予約完了)に至る仕組みだ。支払いは毎月1回、コンビニや口座振替で行うこととなる。携帯端末と電話番号、メールアドレスが、クレジットカードの役割を果たすと考えれば良い。
同社は、決済額を100%保証するため、宿泊施設の気になるキャンセル・ノーショー対策にも有効だ。決済手数料のみ徴収し、初期費用や固定費用はかからない。中小規模の施設にとっても使い勝手の良い仕組みを整えた。
ひとまず、ダイナテック社の予約エンジン「ダイレクトイン」経由での提供となるものの、さまざまなパートナーとの連携も視野に入れる。同社執行役員の橋本知周氏は、「目的はホテル旅館の自社サイトの売り上げ拡大を支援することにある。あらゆる施設に利用してほしい」と述べ、サービスの拡大に意欲を示した。
提携先のダイナテック社は、30年に渡って予約エンジンや宿泊施設向けシステムを提供してきた老舗システム企業。ヤフー(Yahoo! Japan)傘下で、施設の自社ウェブサイトを通じた誘客をサポートしてきた。記者会見に出席したダイナテックの齋藤社長は、「ユーザーにより多くの選択肢を提供することで、成約率アップを目指せる」と語った。
「Paidy」を提供するエクスチェンジコーポレーションは今後、リアル決済分野にも進出したい考え。SMSを利用した決済サービスは、ウェブ上では強みとなるものの、リアル決済にはそぐわない部分もある。いかにリアル決済市場を取り込んでいくのかに注目が集まる。
なお、記者会見ではアリペイ(ALIPAY、支付宝)といったQRコードを利用した決済スタイルも話題に。すでに100万人以上の利用者を持ち、ネットショッピングで実績を出してきた「Paidy」。リアル決済でも、国内ユーザーに支持されるスタイルを追求し、開発を進めていくという。