国際女性デーにイベント(Airbnb) 生駒芳子さんらが出席
2018年3月13日(火) 配信
Airbnb(エアビーアンドビー)は3月8日(木)、国際女性デーに因むイベントを東京都内で開いた。日本遺産プロデューサーの生駒芳子さんと女性起業家の支援・育成に取り組む近藤洋子さんが出席し、女性ホストらとともに民泊・「体験」の提供を通じた自己実現について語り合った。
当日は、2008年のサービス立ち上げから通算で、女性ホストらが100億ドル(約1兆550億円)の収益を得たことも発表された。民泊物件のホスト(住宅宿泊事業者)と、「トリップ」事業(サービス)のホストに女性が占める割合は、すでに5割を超えており、エアビーアンドビーのプラットフォームは、女性の起業でも役立てられている。
16年からスタートした「トリップ」事業(サービス)は、宿泊の提供ではなく、ローカルに根ざした「体験」を旅行者に提供するというもの。茶道体験やローカルフードの調理指南、自転車によるまち探訪、地域の文化・歴史紹介など、ホストが主体となって旅行者をもてなす新しい旅・交流のカタチとして注目を集めている。
体験をめぐる個人間消費(CtoC)ビジネスであるため、ホストは自身の経験や趣味嗜好にもとづく体験ツアーを組み立て、販売できる。体験時のアクシデントには、エアビーアンドビーが提供する保険が適用されることも、参入ハードルを下げる要因となっている。
旅行業界では近年、地域限定の募集型企画旅行(国内のみ)を実施できる第3種旅行業者が増加傾向にある。一因とされるのが、訪日外国人旅行者(インバウンド)向けオプショナルツアー販売を行うベンチャー旅行会社の増加だ。日本への関心高や、口コミサイト、SNS(交流サイト)の発達とともに、世界をターゲットに据えた集客が容易になってきた。一方、ゲストの保険加入は、個人ではなかなか対応が難しい。エアビーアンドビーでは、不足の事態への備えを整えることで、CtoCビジネスでの体験販売を実現した。
国際女性デーに行われたイベントでは、「シェアリングエコノミーで広がる女性の新しい活躍の場トークイベント」と題し、生駒芳子さんと近藤洋子さんらが、女性ホストであるIbukiさん、Kaoruさんとともに登壇。シェアリングエコノミーの醍醐味や、ゲストとの思い出をめぐって語り合った。
生駒さんは、「VOGUE」や「ELLE」、「マリ・クレール 日本版」など一流ファッション誌の責任者を経て、文化庁日本遺産のプロデューサーに就任。18年には、伝統工芸を軸にした自身のジュエリーブランド(HIRUME)を立ち上げるなど、ファッションやカルチャー、地域創生など、さまざまな分野で活躍している。日本女性起業家支援協会・代表理事を務める近藤洋子さんは、女性の起業支援・育成に携わるほか、起業家と企業のマッチングにも力を入れている。
生駒さんは、「シェアリングエコノミーは、人とのつながりとお金を生むきっかけとなる。出産や介護など、女性のライフスタイルの変化に合わせた働き方が、ホストならできる」と語り、近藤さんは、「女性の経験や感性にしか提供できない〈体験〉があり、それをビジネスに生かせるかもしれない」と応じた。出産や育児などの体験が女性を成長させ、男性にはない視点を育むキッカケとなる。生駒さんと近藤さんもまた、出産や育児、介護などを実際に経験し、多くのことを学び仕事に生かしてきた。エアビーアンドビーが提供するプラットフォームを上手に活用することで、自身のライフスタイルに適した働き方を見つけてほしいという。
現役ホストであるIbukiさんとkaoruさんはそれぞれ、和歌山県と東京都内で民泊や「体験」をゲストに提供し、高い支持を集めている。Ibukiさんは夫婦ですさみ町(和歌山県)へのIターンを決意。ジビエなど、自然をベースにした料理を堪能できる宿泊体験で人気を集めている。Kaoruさんは、自身で旅行会社を立ち上げ東京下町をめぐるサイクリング体験事業を進めている。
2人は、エアビーアンドビーのプラットフォームを活用することで、自身の得意分野を生かし、自己実現を達成している。双方ともに、「心が通じ合うのに、語学力は不要だ」と語ったのが印象的で、ゲストから教えてもらうことも多く、一緒になって楽しめるプランをつくっていくことこそ、ホストの醍醐味だと強調した。ホストによるホスト同士の交流会や、ビギナー向け企画相談会の実施も検討していきたいという。
エアビーアンドビーでは「体験」提供希望者向けの申し込みフォームを用意しており、企画書提出後、基準に適合すれば実現に向けたサポートを受けられる仕組みとなっている。