農泊成功のカギは地域連携と適合 パソナ農泊セミナー報告会開く
2018年3月12日(月) 配信
パソナは3月9日(金)、農泊の中核人材育成のための「農泊セミナー」事例報告会をパソナトラベルハブミックス(東京都千代田区)で開いた。先進的に農泊を推進する6団体と受講者が登壇。「地域内連携」、「地域との適合」を農泊成功のカギとした。
農泊セミナーは、農林水産省の2017年度農山漁村振興交付金「農泊推進対策(広域ネットワーク推進事業)」の補助を受けて行われた講座。「プラットフォームあおもり(青森県)」と「遠野山・里・暮らしネットワーク(岩手県)」、「美ら地球(岐阜県)」、「春蘭の里(石川県)」、「安心院町グリーンツーリズム研究会(大分県)」、「食・農・人総合研究所 リュウキンカンの郷(熊本県)」の6団体が、農泊を観光地域づくりの核として推進していきたい全国の自治体関係者ら11人の受講者を約30日間受け入れた。
受講生は学んだことを地域に落とし込むことや、地域で高い目標を共有させることの重要性など、自身の気づきを報告した。一方受け入れ団体側からは、受講生の受け入れがこれまでの事業を見直すきっかけになったとの声が挙がった。また、農泊を運営する若い世代の育成や、年齢による農泊実施に対する温度差の解消も課題に挙げられた。
報告会のファシリテーターを務めた青木辰司氏(東洋大学社会学部教授、グリーンツーリズム・ネットワークセンター代表理事)は農泊事業に欠かせないものに「地域内連携」を挙げ、「一個の事業体が儲かる事業を行うのではなく、地域のなかで連携してコミュニティビジネスとして定着させることが大事」と強調。「宿泊施設や食事処、温泉などが連携できれば、長期滞在につながる。農泊は、地域に活気を持たせる政策でもある」と主張した。