大阪環状線「ブライダルトレイン」で結婚式を挙行 JR西日本や日本旅行
2018年3月14日(水) 配信
JR大阪駅から発車した臨時列車が、環状線を約40分かけて一周し、同駅へ戻るまでに挙式を執う「ブライダルトレイン」。3月4日(日)、東京都練馬区在住の牛丸智裕さん(26)と佳子さん(26)がブライダルトレインで結婚式を挙げた。
この結婚式は、西日本旅客鉄道(JR西日本)と、ホテルグランヴィア大阪、日本旅行が共同で企画し募集したもので、第1回は2015年11月22日の実施し、今回が2回目。円を描くように走る環状線にあやかり、“円満なご夫婦”を願って行われる人気企画だ。
2人は関西出身で大学時代に知り合い、よく大阪環状線を利用してデートを重ねたという。卒業後は智裕さんが東京へ赴任、佳子さんが大阪で勤務と、遠距離恋愛を続けていた。しかし、昨年春に佳子さんが東京へ転勤したのを機に同居、その後入籍した。結婚式場を探しているときにこの企画が目に留まり、「思い出に残る結婚式を挙げたい!」と応募したという。
春のやさしい日差しに包まれたこの日、新郎新婦と親族、参列者約50人を乗せた大阪環状線の新車両323系は午後12時38分に大阪駅を出発。「大阪の街のように明るく楽しい家庭となることをお祈りしています」という車内アナウンスで開式した。
ウェディング仕様に、華やかに飾り付けられた車内で、2人は誓いの言葉、指輪の交換、誓いのキスのあと、大阪駅の新林駅長を立会人とし、結婚誓約書に署名、結婚の成立が宣言され、婚姻届受理証明書が手渡された。心地よく揺れる電車と参列者の温かい拍手の中、無事に閉式した。
参列者には式の記念に、特別仕様のオリジナル記念切符が贈られた。また、新郎新婦の2人が感謝の気持ちを込めて全員のきっぷに鋏を入れながら周る、電車内での結婚式ならではの楽しいイベントも行われた。
沿線ではさまざまなお祝いのサプライズもあった。天王寺駅からはJR西日本のキャラクター「イコちゃん」が乗り込み、2人へ記念品をプレゼント。親族や友人もまじえて記念写真を撮った。芦原橋駅ではJR西日本の社員とラグビー部の人からお祝いの横断幕とメッセージ、そしてラグビーボールが贈られた。また、西九条駅では駅員に加え駅内のお店の店員や居合わせた乗客がメッセージボードを掲げて盛大にお祝いした。JR西日本の社員からは、新婦がお気に入りの「うれしいたのしい大好き」のサックス演奏が贈られ、心を込めたサプライズに新郎新婦も参列者も大きな幸せに包まれた。
午後1時20分に、“日本一幸せ”な電車323系は大阪駅に到着。到着後、智裕さんは「たくさんのサプライズに感謝の気持ちでいっぱいです。このサプライズでみんながたくさん笑ってくれたように、笑顔にあふれた家庭をつくりたいです」と話した。佳子さんは「イコちゃんのお祝いが嬉しかったです。みんながハッピーでいられる家庭にしたいと思います」と笑顔で語った。
この後、大阪駅に隣接する「ホテルグランヴィア大阪」で披露宴が行われた。会場にはこの日の結婚式に使用された電車、323系を模ったウェディングケーキ、「大阪環状線ケーキ」が用意され、新郎新婦の特別な1日に彩りを添えた。