旅館経営者向けの研修プログラムを開発・提供 (三重県×じゃらん)
2018年3月29日(木) 配信
東京五輪を見据え、ホテル数が増加傾向にある。2016年度には1万軒を突破した。一方の旅館施設数は減少が著しく、毎年約3%減が続いており、16年度には4万件を下回った。オンライン予約サイト「じゃらん」を運営するリクルートライフスタイルでは、じゃらんリサーチセンター(JRC)が中心となって旅館業の活性化に取り組んでいる。昨年12月には三重県(鈴木英敬知事)で、開発する宿経営者向けの研修プログラムの実証実験を行った。
昨年12月から今年3月まで実証実験の一貫として、「持続可能な旅館経営の未来塾」と題する研修会を実施した。メインテーマは、経営改革を実現するための計画書作成。16施設が参加した。
経営改革の対象領域は2つ。売上アップなどにつながる業務改革や人材の育成定着を目指す人事改革に分けられる。「未来塾」の参加者らは、生産性向上を実現するための「ムリ・ムダ・ムラの無くし方」や、改革実現に向けたストーリー(計画書)づくりに専念した。業務改革に焦点を据えた内容で、参加者らによる意見交換も活発に行われた。
18年度からは、研修プログラムを実用化し、県内宿の課題解決を目指す。ブラッシュアップや新たなプログラム開発も視野に入れる。人事改革につながるプログラムも用意する。
インプット型からワークショップ型へとステップアップする形式を取ることで、無理なく主体的に改革マインドを身につけられるよう工夫を施す。6月からは、三重県内の中小規模旅館・ホテルの経営層を対象とした研修プログラムを実施する。次期経営者候補や、業務・人事マネジメント担当者向けの内容で、新たにアドバンスコース(人事改革関連)が加わる。
3月29日(木)には、研修プログラムを実行するため、三重県とリクルートライフスタイルは宿泊業の働き方改革を実現するためのプロジェクト連携協定の締結を発表した。三重県は各施設への情報発信や雇用につながるデータ分析を担当する。じゃらんリサーチセンターはプログラム開発のほか、マーケティング調査も担う。当日、東京都内で締結式が行われ、三重県の鈴木英敬知事とリクルートライフスタイルの宮本賢一郎執行役員(旅行領域担当)が出席した【写真】。