「幕末維新回廊」を開催へ 明治150周年のオリジナルICカードで周遊を
2018年3月30日(金) 配信
山口県は5月12日(土)~12月31日(月)の約8カ月間、明治150年の県全域をまたいだイベント「幕末維新回廊」を行う。県内各地に点在する、幕末・明治期の資料を持つ施設など34カ所をつなぐ。このルートを「回廊」に見立て、県内周遊を促していく。明治150周年オリジナルICカード「山口めぐりっとカード」を発行し、イベントとあわせてポイントラリーも実施する。
山口県は吉田松陰をはじめ、高杉晋作など多くの志士を輩出した「維新胎動の地」。幕末の騒乱のなか、多くの歴史舞台が、偉人が生まれ活躍した。県内各地域には、幕末・明治期の貴重な歴史・文化資産を有している。
これらを踏まえ、今回は県内34の歴史・文化施設などを「点」から「線」へと結びつける「回廊」を作り上げる。多くの施設を「巡れば、巡るだけ」楽しみが増すような仕掛けを展開していく。
メイン会場の1つは、山口きらら博記念公園(山口市阿知須)にある「山口ゆめ花博」(9月14日~11月4日)。会場内に「維新体験館」を設け、VR(仮想現実)を使って幕末の長州を仮想体験できる。幕末にタイムスリップして、吉田松陰や高杉晋作などとともに、歴史の名場面を楽しめるようにした。
もう1つのメイン会場は、山口県庁前のパークロード周辺会場(県立博物館・県立美術館ほか)。山口県立美術館では、7月13日~8月26日の間、明治150年記念特別展「激動の幕末長州藩主 毛利敬親」を開く。特別展では、200点を超える幕末の一級資料を一挙公開する。宮内庁から特別に借り受けた、坂本龍馬が裏書した「薩長同盟覚書」や「五箇条御誓文」などを展示している。
□幕末維新回廊をめぐるICカード「山口めぐりっとカード」
・プレミアムカード
全施設の共通入館券機能が付いたICカード「山口めぐりっとカード」を「ふるさと納税返礼品」として発行。する(特典例/特別企画監修者と巡るプレミアムギャラリーツアー、山口ゆめ花博維新体験館へ並ばずに入場できるファストパスなど(抽選や予約制などの条件あり))
ふるさと納税サイト「さとめぐり」
・レギュラーカード
ポイントラリーに参加できるカードを全国のイオン各店舗で販売。※「山口めぐりっとカード」は「ご当地WAON」となっており、利用した金額の一部は山口県の歴史資料・遺産の保存に役立てられる
・「山口めぐりっと」
「めぐる」+「グリット」を合わせた言葉。「グリット」(grit)は困難にあってもくじけない「闘志」「気概」「気骨」を意味し、明治維新の原動力となった志士たちをイメージした。その精神を内包した記念事業を展開している山口県内を巡ってほしいとの願いを込めているという。
□「幕末維新回廊」概要
開催期間:2018年5月12日(土)~12月31日(月)
※5月12日は長州ファイブがイギリスへ向けて横浜を出航した日
内 容:
1、イベントガイドブックの作成。第1弾は3月29日(木)発行
2、「明治150年オリジナルデザインICカード」を発行し、ポイントラリーを実施する。参加施設は34施設、全6会場
□みどころ
○メイン会場A(山口ゆめ花博)
・「山口ゆめ花博」期間中、山口ゆめ花博会場に限定設置
幕末・明治期の未知の時代を切り拓いた郷土の先人たちの「志」や「行動力」を楽しみながら学び、明治維新を体感できる。時代を切り拓く力を受け継ぐことを目的としたテーマ館となる。VR体験のほか、郷土の偉人パネル展示などがある。
場所:山口きらら博記念公園 多目的ドーム内
期間:9月14日(金)~11月4日(日) 9:00~21:00
料金:「山口ゆめ花博」の料金に含む。
○メイン会場B(パークロード周辺)
・明治150年記念特別展『激動の幕末長州藩主 毛利敬親』
毛利敬親(もうり たかちか)は激動の幕末維新期に、長州藩主として藩政改革を断行。有能な人材育成、国事周旋などで難局を乗り越え、明治維新達成に大きく貢献した。その生涯と事績を中心に、幕末~明治期の毛利家の活動を、国指定重要文化財・県指定文化財を含む約200点の歴史資料と美術工芸品で紹介する。リーダーとして、時代の変化にどう対処したか、藩主から華族へ、身分の改変にいかに順応したか。幕末から明治へという社会の大きな変革の流れを、旧藩主の視点から辿る。
場所:山口県立美術館
期間:7月13日(金)~8月26日(日)
料金:一般 1300円(1100円)、学生・シニア 1100円(900円)
※( )は前売り