絆重視の消費続く SNS映えのため旅行も(30―40代の金銭感覚調査)
2018年4月7日(土) 配信
SMBCコンシューマーファイナンスがこのほど発表した、30―40代の金銭感覚の意識調査2018によると、最近1年間で積極的に消費したことは「家族との交流(親孝行・家族サービスなど)」が最多で、前年比7・0ポイント増の34・9%。2年連続の1位で、絆消費重視の傾向は続いている。他方、SNS(交流サイト)映えのために旅行をする人も少なくないことが分かった。
【飯塚 小牧】
調査は30―40代の男女計1千人から回答を得たもの。まず、金銭状況としては、毎月自由に使える金額の平均額は3万272円。前年から1623円減少し、賃上げ効果は疑問府がつく。未婚者は3万9103円、子供なし既婚者は2万8787円、子供あり既婚者は2万1371万円。ちなみに、「20代の金銭感覚についての意識調査2017」によると、20代平均は2万9694円となり、30―40代と平均額に大差はなかった。
現在貯蓄できている金額(世帯か個人かは問わない)については、貯金できていない「0円」が前年から8・3ポイント減の17・1%となった。最も多いのは「1万円―50万円以下」の26・2%。「50万円超―100万円以下」は12・1%となり、貯蓄額100万円以下の合計が55・4%と半数以上を占めた。一方、「500万円超―1千万円以下」、「1千万円超」の回答もそれぞれ1割以上あり、貯蓄額の調整平均(数千・数億円など極端な数値を除外)は247万円となった。
決済環境をみると、スマートフォン決済ができる電子マネーアプリを利用しているのは18・9%となった。QRコード決済アプリは5・3%。
では何に消費をしているのかを探ってみると、最近1年間で積極的に消費したこと(複数回答可)は、「家族との交流」(34・9%)だった。次いで「趣味を深める(何度も行う・通う、良い道具をそろえる)」(31・0%)、「友人との交流」(30・9%)と続く。旅行やライブイベントなどが含まれる「思い出に残る体験」は18・7%で6位となった。ただ、同社広報CSR部によると、回答者の捉え方によって「家族旅行」は「家族との交流」に含めている可能性もあるという。
一方、4月からの新年度は何に積極的にお金を費やしたいか聞くと、全体平均は過去1年間と同様の結果になったが、男女別では女性が「子供との交流や子供の教育」を2番目に挙げた。
旅行に関する支出について、旅行にお金をかけているのは63・8%となった。この638人に1年間でいくらかけているか聞くと、「5万円以下」と「5万円超―10万円以下」がともに22・3%、「10万円超―15万円以下」が22・4%と15万円以下が67%となった。平均額は16・8万円。
他方、近年話題の「インスタ映え消費(SNSにアップする写真や動画を撮影するためにお金を使うこと)」については、個別の質問を設定。「SNSにアップする写真や動画を撮影するために、お金を使ったことがあるか」という問いには、58・4%の人が「ある」と答えた。これは20代の33・0%よりも多く、30、40代がインスタ映え消費に積極的なことが分かった。さらに、「ある」と答えた584人に何にお金を使ったか聞いたところ、「旅行・観光(絶景スポットなど)」が55・0%と圧倒的に多かった。
インスタ映えを狙い、旅行先を選択する人が少なくない結果となった。
調査は1月10―15日、30―49歳の全国の男女1千人を対象に行った。調査協力はネットエイジア。