「観光危機管理ハンドブック」~観光客と観光ビジネスを災害から守る
2018年4月6日(金) 配信
災害や危機から観光客や観光関連産業をいかにして守るか――。
観光危機管理の第一人者である髙松正人氏(JTB総合研究所常務)が自身の実践と経験に基づいて、丁寧に解説した「観光危機管理ハンドブック:観光客と観光ビジネスを災害から守る」が朝倉書店から発刊された。本書は観光業界に身を置き、安全の問題に関心を持つ人にとって有用な知識が豊富に収録されている。
観光危機管理の基本となる要素は「減災(Reduction)」「危機への備え(Readiness)」「危機への対応(Response)」「危機からの復興(Recovery)」のRで始まる4つの英語で表記される。髙松氏は「観光危機管理の4R」と呼び、「4つのRは相互につながっているだけでなく、危機の経験を経て循環しながらレベルアップしていく循環モデル」と定義する。
沖縄県が東日本大震災をきっかけに着手した「観光危機管理」の取り組みや、気仙沼観光復興戦略づくり、世界レベルでの観光危機管理の現状なども紹介している。
巻末には観光地域と、観光関連事業者用にそれぞれ「観光危機管理のためのチェックリスト」も備えている。「地域防災計画には、観光客や旅行者への対応に関する記載があるか?」や、危機からの復興時には「観光復興プロモーションにおける優先市場と実施スケジュールを決定」など、4つのRに分けて設問している。
災害や危機は他人ごとではない。ぜひ確認してほしい。定価(本体3400円+税)。
問い合わせ=TEL03(3260)0141。