出国税成立、19年1月7日から 使途定める法案も成立へ
2018年4月12日(木) 配信
国際観光旅客税(出国税)が4月11日(水)、出国税の使途などを定めた国際観光振興法が10日(火)、参議院本会議で成立した。出国税は飛行機と船で日本を出国する人から、1人につき1千円を徴収する。施行は2019年1月7日。18年度(19年1~3月)は約60億円の税収を見込む。使途も同法で3つの分野に絞った。政府目標のインバウンド4千万人、消費額8兆円に向け、新財源で観光施策を進めていく。
出国税は航空券などに上乗せする見通し。出国税の対象者は2歳以上で、日本人も含まれる。24時間以内に出国する乗り継ぎ客は対象外とする。
17年の出国者は、インバウンドが2869万人、日本人出国者は1789万人で、計4658万人だった。インバウンドはここ数年、平均で前年比20%を超える伸びを示している。
仮に18年と19年も20%ほど伸びれば、19年は4千万人の大台に乗る。日本人出国者が1700万人だとしても、1年間を通して徴収できるようになる19年度以降は、600億円近くの税収となる見通しだ。
国際観光振興法では出国税の使途を、快適な旅行環境整備と、体験型観光の満足度向上、海外への情報発信強化の3分野に定めた。施行は公布日とする。
そもそも同法は、いわゆる外客誘致法(1997年)の名称や基本方針などを改正したもの。これまでは、地方部の観光計画の策定主体が都道府県単位だった。改正法では、DMOらが参加する広域な協議会に移し、幅広い主体による観光地づくりを行っていく。
このほか、公共交通事業者に対する努力義務の範囲も広げる。Wi―Fi観光や、トイレの洋式化、周遊パスなどの整備を盛り込んでいる。インバウンドの利便性向上や地方部への誘客に向け、取り組みを強めていく。
なお、施行後5年を目途に、その状況を踏まえて必要な措置を行えるように経過措置を設けた。