「自分スタイルの旅」が本格的に定着、JTB2010年旅行動向見通し
JTBはこのほど、2010年の旅行動向の見通しを発表した。これによると、国内旅行人数は前年比0・3%増の2億9千万人、海外旅行人数は同8・9%増の1680万人、訪日外国人数は同17・2%増の790万人と、いずれも旅行市場が拡大する見通しだ。
国内旅行は、平城遷都1300年を迎えイベントが続く奈良や、大河ドラマ「龍馬伝」の主人公、坂本龍馬ゆかりの地である高知、長崎、京都、ドラマ「坂の上の雲」の舞台の愛媛県松山市など西日本に話題が集中しており、テーマを持って周遊する旅のブームも予想される。
12月には東北新幹線青森延伸により、北東北周遊や北海道を組み合わせたツアーも注目を集めそう。
JTBは「『自分スタイル』の旅の本格的な定着」に焦点を当てる。効率重視で閉塞感がある日常から離れ、より豊かで人間的な時間を過ごしたいという欲求が旅の形で現れつつある傾向を指摘。「自転車や徒歩で街を巡る」「町家、古民家での宿泊」「現地での体験ツアー」「一眼レフカメラを持って身近な街を巡る」など趣味やテーマに重きを置いた旅が浸透し、自分の価値観や生活スタイルに合った旅が人気を呼ぶのではないかと分析する。
海外旅行は昨年5、6月の新型インフルエンザの影響による反動に加え、上海万博の開催、成田、羽田の2空港の発着枠拡大などが追い風となり旅行人数は増加。一方、デフレの影響を受け「安近短」傾向が強まると予想する。