「ホテル番付」がリニューアル、施設の人手不足をサポート (SORA)
2018年4月17日(火) 配信
収入の最大化を実現するため、日々適切な価格を探る。いわゆるレベニューマネジメントはホテル・旅館にとって商いの要だ。スタートアップ企業空(そら、松村大貴代表、東京都渋谷区)が提供する「MagicPrice」は、売れ残りを防ぎ収益を最大化するシステムとして、宿泊施設を中心に活用されている。AI(人工知能)の活用で定評のある同社。この度、もう1つのサービスである、市場分析や競合施設との比較を行い、宿の経営支援に役立つシステム「ホテル番付」のリニューアルを発表した。
「リニューアルされた〈ホテル番付〉は、ツールではなく、市場分析エージェントとして、日々の経営を手助けできる」と、4月17日(火)に開かれた記者会見で同社代表の松村氏は強調した。
経営戦略の立案にはデータが必要不可欠だが、逐一の確認やまとめはホスピタリティにも従事するホテルスタッフにとって大きな手間となる。関東財務局によると、東京都内のサービス業の有効求人倍率は約9倍。施設の人手不足はかなり深刻な状況となっているだけに、システムによるデータの収集・分析面のサポートに対する期待は大きい。
自社の予約ペース・販売価格、近隣エリアに位置する他施設との比較で活用されてきた「ホテル番付」。リニューアル後は、解析結果の自動通知や統計グラフの重要ポイント表示など、データ確認の手間を省く機能を利用できるようになる。アナリティクスに関する知見がなくとも、分析結果を理解できる仕組みも整えた。
「真に幸せの瞬間は現実世界での出会いにあると考えている。仕事をシステムに任せることができれば、短い時間で成果を得ることができ、スタッフはホスピタリティに集中できる」と語る松村氏。リニューアルした「ホテル番付」を導入することで、人材不足によるスタッフへのしわ寄せを軽減できるとみる。データの収集・分析を担うシステムがツールに留まっていては、スタッフの負担軽減は難しい。リニューアル後の「ホテル番付」は、分析という最も人の頭を悩ます部分をエージェントとしてサポートするため、時間と手間の削減を期待できるのだ。
より本格的なAIが登場するまでには技術的な制約があるなか、「市場分析エージェント」はツールからAIへの過渡期に当たるサービス形態となる。今後は引き続き、データ収集にも力を入れていく。
リニューアルに伴い、料金体系は以下のように変更となる。施設によっては従来より割高感を感じるかもしれないが、その分より高品質のサービスを受けられる。