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新観光素材の発掘を、「日旅連塾」継続開催へ(日旅連総会)

2010年3月1日
編集部

 日本旅行協定旅館ホテル連盟(根津文博会長、2404会員)は2月17日、東京都内のホテルで2010年度通常総会を開いた。09年度に伸び悩んだ宿泊券販売の拡大に向け、今年度も宿泊券増売を最重点事業として、「お客様宿泊アンケート」の有効活用や、日旅と旅連が連携した各種キャンペーンを展開していくほか、「新観光素材」や「B級グルメ」などのさらなる発掘にも取り組む。

 根津会長は冒頭のあいさつで「私は会長に就任して以来、次世代の人材育成と地域が元気になるような事業の2つを主に取り組みたいと考えていたが、昨年は7月にITや財務の勉強を行う『日旅連塾』という有意義な勉強会を開催した」と報告。さらに、「IT時代が進展するにつれ、昔ながらの〝御用聞き〟商法が脚光を浴びている。勝手口から入って色々な情報をこまめに聞きながら商売につなげていくことも、これからはもう少し考えていかなければならないと思う」と語り、「『みんな仲間だ一緒にやろう』を合い言葉に、旅連の会員と日本旅行、地域、お客様のすべてがWIN・WINになる関係を目指していこう」と語った。

 昨年度は宿泊券増売に向けて「赤い風船夏先取りキャンペーン」(09年7―9月)と新たに「2千円キャッシュバックキャンペーン」を実施。販売実績は人員で前年同期比4・0%減の11万8千人、販売額は同6・4%減の25億6900万円だった。

 今年度は、昨年50人が出席してスタートした日旅連塾を100人単位で実施する予定だ。また、会員の新規加盟促進では、都市型ホテルにも力を入れていく考えだ。

「将来に布石打つ年、09年宿泊券607億円に」(日本旅行 丸尾社長)  日本旅行の丸尾和明社長は日旅連の総会で、09年度を振り返りながら10年度の重点事業を語った。

 「09年度はさまざまな構造の変化が現れた年。この変化に対応できなかったことが日本旅行にとって反省すべき点。我われがそのなかで課題を明確化し、具体的な対応ができれば成果が表れることが明らかになった年でもあった」と述べ、「現在決算をまとめているが、大変厳しい決算になりそうだ」と語った。

 国内旅行の総売上高は前年度比16%減の2440億円と、約480億円のマイナスとなった。このうち300億円弱がJR券や航空券などの販売が占めるという。「赤い風船」は同11%減の680億円と2ケタの落ち込みとなった。団体は教育旅行が同4%増と健闘したが、一般団体が同17%減と不振で、団体全体では同9%減の590億円となった。

 一方、IT販売は同16%増と大幅に伸びた。インバウンドは円高の影響もあって同20%の減少となり、国内宿泊券販売額は同13%減の607億円となった。

 丸尾社長は09年を「不本意で反省すべきことの多い年だった」とし、2010年は「生き残りを確かなものとし、将来に向けての布石をしっかりと打つ年と位置付け、全社をあげてさまざまな事業にチャレンジしていきたい」と語った。

 具体的には、団体営業の再強化に向けて、1月1日に団体推進本部を立ち上げた。間際予約への対応も強化する。さらに、4月1日に日本旅行東北を設立し、スピード感を持った、従来の概念にとらわれない事業展開を目指す。

 伸びているIT事業については、24時間対応に加え、携帯からの対応、IT専用商品展開などにも重点的に取り組んでいくとした。

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