HISが働き方改革 副業の解禁など
2018年4月23日(月) 配信
エイチ・アイ・エス(HIS)は5月1日から、ライフスタイルの多様性に対応した「楽しい職場づくり」を目指し、副業の解禁など4つの働き方を導入する。同社は昨年6月に労働基準法に定める上限を超える違法な労働時間があったとして、東京労働局から書類送検されている。調査を受けて以降、長時間労働解消に向けプロジェクトを立ち上げるなど改善活動を本格化していた。今回は職場環境の改善をはかり、優秀な人材確保などに結び付けていく。
「男性社員のみならず、今まで以上に女性がいきいきと仕事ができる環境こそが、企業の成長につながると考えている」(同社)。新たな働き方は、「副業の解禁」「時短社員へのフレックス制度勤務拡大」「在宅勤務トライアルの開始」「再雇用制度の導入」の4つ。
今年1月に改正通訳案内士法が施行され、無資格でも有償の通訳ガイドができるようになった。同社では旅行者と地元ガイドをつなぐ「Travee(トラビー)」を立ち上げ、CtoCのマッチングサービスを行っている。今回の副業解禁で、社員も積極的に通訳ガイドに取り組める体制を作っていく。副業については個人としての事業を認める。2重勤労の解禁は時期尚早と判断し、一旦見送った。長時間労働の抑制を最優先にするためだ。
一方、同社は昨年7月から、一部部署でフレックスタイム制度を推進している。今回、これを子育てや介護などで時短勤務をしている社員へと拡大する。さらに子育てや介護との両立を目指し、在宅勤務を試験的に導入する。今後は全社員を対象とした在宅勤務導入を見据え、効果検証し広げていく。
優秀な人材の長期的な確保のため、再雇用制度の導入もはかる。対象は在職中に一定の成果を収めた社員。5年以内であれば、退職時と同じ待遇で復帰できる。退職理由にとくに制限はなく、さまざまな場所で学んだ経験を生かしてほしい考えだ。