「もてなしの達人」「優秀バスガイド」、「100選」特別部門68人を表彰
旅行新聞新社が主催する「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」「プロが選ぶ優良観光バス30選」の特別部門として、従業員やバスガイドにスポットを当てた第7回「もてなしの達人」、第8回「優秀バスガイド」の表彰式が2月19日、東京都港区の浜松町東京會舘で開かれた。当日は表彰のほか、恒例となったバスガイドによる1分間ガイドや、観光庁長官表彰の「おもてなし・人材育成」部門を受賞した加賀屋の客室係教育担当の岩間慶子さんの講演会なども行った。
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今回の「もてなしの達人」は57人を選出し、そのうち表彰式には31人が出席。「優秀バスガイド」は受賞者の11人全員が出席し、それぞれに表彰状と記念品が贈られた。
表彰式で旅行新聞新社の石井貞徳社長は「現在はハードではなく、スタッフ一人ひとりがビジネスを左右するほど重要で、経営者ではなく、サービス一つに経営が左右される時代。皆さんは、旅行会社の職員から名前があがった方々なので、自信を持ってほしい。大変な時代だが、一人ひとりがお客様と接し、楽しい旅の思い出を提供していただければ、状況も変わってくると思う」とあいさつした。
来賓を代表してあいさつに立った全国旅行業協会(ANTA)の木村茂男副会長は、「この事業の〝プロが選ぶ〟のプロは旅行会社ではない。旅行会社は何を基準に選ぶかというと、例えば宿泊施設の場合は施設や料理以上に、フロントや予約係がしっかりしているかどうか。訪れた際に、『あの施設にはあの人がいる』という安心感が大切で、我われの選定基準になる。ハードが一定基準に達していれば、人が重要だ。また、バスの旅は、ガイドさんが印象に残る。いいガイドさんはきちんとしたガイドをするということではなく、人柄や話し方などを重視する。仕事をお願いする場合も、会社ではなく、ガイドさんで選ぶこともある」と語り、「皆さんは日本の観光を支える底辺で、皆さんの努力で厳しい時代も乗り越えられる。この賞を励みに頑張っていただきたい」と激励した。
賞状授与は、「もてなしの達人」を代表して夢龍胆支配人の平山昌伸さんが、「優秀バスガイド」は冨士交通の村上早苗さんが代表して登壇した。その後は、「優秀バスガイド」が1人ずつ「1分間ガイド」を披露。普段とは違う環境で緊張感溢れるなか、自身で設定したテーマでガイドし、会場を盛り上げた。
また、講演会は加賀屋客室係教育担当の岩間さんが「おもてなしの心 先代女将に学んだ事」をテーマに、自身のこれまでの経験から感じた、もてなしの精神などを語った。
表彰式後の懇親会で乾杯のあいさつに立った日本バス協会の藤井章治理事長は、「バス業界は厳しいが、旅行会社や利用していただいているお客様に支えられてやっていけると改めて感じた。また、現場の第一線で努力されている方たちの厳しいなかでの笑顔の力もあるのだなと、感じた」とし、「今後もこの企画を契機にもっと発展するよう頑張っていきたい」と語った。
会場では料理を囲みながら、受賞者たちが互いの業を讃え合い、親交を深めた。
【飯塚 小牧】