UTセンター設立、旅行業取得へ、神戸UTフォーラム
「全国協議会の設立目指す」
神戸ユニバーサルツーリズム(UT)の成果報告会「ユニバーサルツーリズムフォーラム」(主催・NPO法人ウイズアス)が2月27日、神戸市内の神戸学院大学で行われた。
内閣府の09年度地方元気再生事業に認定された「ユニバーサルツーリズム事業の振興と障がい当事者の一般就労機会の創出による地域活性化プロジェクト」での取り組み内容と成果を報告し、安心安全で豊かな旅を支援するUTの推進と全国各地との連携などについて議論を深めた。
第1部では神戸学院大学、阪南大学、神戸夙川学院大学の福祉や観光を学ぶ学生がジョイントし、神戸市内10カ所に設置された「どこでも車いす」を活用した神戸観光の楽しみ方を紹介した。
3大学の学生が7チームを編成し、北野異人館街や南京町、ハーバーランド、三宮センター街などテーマに沿ってルートマップを作成し、実際に車イスに乗って体験した観光のポイントと利用施設の入り口段差、スロープ、スタッフの対応など評価し、問題点を指摘した。
主催者では「福祉の学生が観光を、観光の学生が福祉を学ぶ取り組みは全国でも珍しい」と話し、今後さらに発展させていく考えだ。
第2部では事業推進の各部会報告が行われた。UT推進委員会ではウイズアスを中心に、移送、宿泊、福祉・医療の関係連絡協議会に旅行会社、神戸市、県などと「神戸UTセンター」を設立し、ワンストップサービスを提供。4月に旅行業2種取得を目指し、UT商品の販売など積極的な誘客を目指していく計画も明らかにされた。さらに全国UT推進連絡協議会の設立も目指し、全国各地の連携も強化する。
この日は旭川、東京、神戸、松江、熊本のUTに取り組むNPO代表によるパネルディスカッションも開かれ、活動内容と抱える問題など意見を交換。日本ユニバーサルツーリズム推進ネットワーク「協力と連携の宣言」を承認した。