〝ニューツーリズムの宝庫〟 種子島の着地・滞在型商品
2018年5月2日(水) 配信
鹿児島県大隅半島の佐多岬から約40キロ。南東海上に浮かぶ種子島の西之表市で、ホームセンターなど経営するSOMESの旅行部門「SOMES TRAVEL」が、地元の海陸運送業の旅行部門「わかさ旅行センター」と共同で、「種子島の特色ある地域資源を活用した着地型・滞在型ニューツーリズム旅行商品」を開発し、販売を始めた。
事業は経済産業省の地域資源活用促進法の認定を取得。国の補助を受けて専門ガイドの養成などを行い、商品開発にも取り組む。
世界自然遺産の屋久島と対照的に、細長く伸びた種子島は、種子島宇宙センターと鉄砲伝来の島で知られるが、豊かな自然や歴史・文化など魅力的な素材があふれ、〝ニューツーリズムの宝庫〟だ。
島の北部では日本の海水浴場88選「浦田海水浴場」や、最北端の「喜志鹿崎灯台」、「アコウの大樹」、巨大シダの「ヘゴ自生群落」など独特の自然景観が展開する。
また、島の中心・西之表市は種子島氏の城下町で、かつて鉄砲鍛冶屋が集積。種子島氏の居城・赤尾木城跡や種子島氏の家老屋敷「月窓亭」などが残る。
南部は鉄砲伝来の門倉岬と種子島宇宙センターに加え、周辺には古代赤米文化の伝承地や、弥生時代から古代の集団墓地「国史跡 広田遺跡」などの歴史が集積する。
中部では大浦川河口に広がる「種子島マングローブパーク」、東海岸の浜田海水浴場には、島最大級の海蝕洞窟「千座の岩屋」が見られる。
開発した商品は、産業観光が「宇宙にいちばん近い島満喫プラン」。種子島宇宙センター(施設見学ツアー)や、ロケットを追尾する増田宇宙通信所など宇宙ファンに必見のツアーになっている。
ヘルスツーリズムは「種子島ナチュラルデトックス満喫プラン」。東海岸の熊野海水浴場で「砂浴」を体験。特製ニンジンジュースを飲みながら、約2―4時間、首まで砂に埋まることで、デトックス効果が得られ、快眠、つるつる肌につながるという。体験料、送迎、温泉入浴がセットされる。
歴史観光は種子島氏の城下町散策。島内には125の神社もあり、パワースポット巡りも設定される。
エコツーリズムではマングローブ北限自生林での環境学習とシーカヤック体験プラン。ウミガメ産卵やふ化見学プランもある。全島で2千頭以上のウミガメ産卵があるという。グリーンツーリズムでは「安納芋」の収穫や、種子島茶の茶摘み体験も設定する。
今年度はアニメの聖地巡礼ツアーも予定する。