「kawaii」文化の先駆者 内藤ルネ氏を観光ポスターに起用
2018年4月29日(日) 配信
愛知県岡崎市は、2018年度の通年観光ポスターに岡崎市出身のイラストレーター、故・内藤ルネ氏のイラストをキービジュアルとして起用した。内藤氏は今年で生誕85年とデビュー65年、没後10年のトリプル周年を迎える。
内藤氏は、日本独自の文化とも言える「Kawaii」のルーツとして、現在は雑貨などのさまざまなアイテム展開や、企業タイアップ、メディアなどで再度注目を集めている。広く3世代にわたる観光客取り込みに効果があると考え、市が起用を決めた。
制作枚数:B1版240枚、B2版1,200枚
掲示場所:岡崎市内公所ならびに観光施設など
□故・内藤ルネ氏について
1932(昭和7)年 愛知県岡崎市生まれ。
1952(同27)年
19歳で抒情(じょじょう)画家・中原淳一に呼ばれ上京、中原が主宰する出版社のひまわり社に入社。雑誌「ひまわり」、「それいゆ」の編集を手伝いながら挿絵などを描くようになる。
1954(同29)年
「ジュニアそれいゆ」の創刊号から主要メンバーとなりイラスト・人形作品を掲載。この頃から1964(昭和39)年ごろまで「少女クラブ」(講談社)、「りぼん」(集英社)、「なかよし」(講談社)、「女学生の友」(小学館)など少女雑誌各誌の口絵・付録・イラスト作品を多数手掛ける。
1961(同36)年ごろ~1980年代
マスコット人形、食器、インテリア雑貨、キャラクター文房具などを多数デザイン。
1964(同39)年
「服装」(婦人生活社)に手芸・インテリアの提案などを行う自由なテーマ連載を開始。「私の部屋」(同)に引き継がれ、中断を経ながらも1992(平成4)年まで続く。
1971(同46)年
世界初のパンダキャラクターと言われる「ルネパンダ」を発表。翌年の日本でのパンダブームの先駆けとなった。
2002(平成14)年7月
東京の弥生美術館で初の回顧展「内藤ルネ展~ミラクル・ラヴリー・ランド~」が開かれたのを機に新たなファンを獲得。かつて出版した著書が復刻されるなど再び脚光を浴びた。
2005(同17)年7月
「内藤ルネ初公開コレクション展-日本の可愛(かわい)いはルネから始まった」が開催された。
2007(同19)年10月 急性心不全のため静岡県伊豆市の自宅で死去、74歳没
没後も全国巡回の展覧会が人気を博したり、航空会社とのタイアップによるラッピング機材の就航。今年はNHKで「内藤ルネの特別番組」が全国放送されるなど、さらに注目を集めている。