09年度の企業倒産、件数5年ぶり減、サービス業は微増
帝国データバンクがまとめた2009年度(09年4月―10年3月)の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理のみ)によると、倒産件数は前年度比2・8%減の1万2866件となり、5年ぶりに下回った。負債総額は48・6%減の7兆214億6100万円で、3年ぶりの減少。
倒産件数が減少した主な要因は(1)一連の景気対策や緊急保証制度が効果を上げ、年度後半は減少が顕著だった(2)公共工事の前倒し執行による建設業倒産の減少が地方圏を中心に目立った――など。上場企業の倒産も日本航空など7件で、戦後最悪だった08年度の45件を大きく下回った。
負債総額の減少については、負債100億円以上の大型倒産が58件(前年度135件)と半減したのが大きいとしている。
業種別では7業種中5業種が減少。建設業は6・5%減の3325件、卸売業は9・2%減の1904件、不動産業が8・6%減の438件など。一方、製造業は8・7%増の2009件、サービス業は1・9%増の2345件。
倒産の原因別では「不況型倒産」の合計が0・2%減の1万526件となるが、構成比では81・8%を占め、4年連続の増加。依然として経営環境が厳しい状況にあることは変わらない。
負債額を規模別に見ると、負債5千万円未満の零細企業の倒産が6・7%増の5739件となった。負債額別では唯一の増加。
地域別では9地域中7地域で下回った。なかでも北海道は30%減(346件)。ほかに東北、中国、九州などの地方圏で減少が目立った。関東、中部は上回った。