新会長にJR九州の石原氏、九州観光推進機構が総会
「九州新幹線開業の事業中心に」
九州観光推進機構(田中浩二会長)は5月20日、福岡市内のホテルで2010年度定時総会を開き、退任する田中会長に代わり新会長にJR九州の石原進会長を選任。10年度事業計画として九州の魅力を磨き、国内の大都市圏や東アジアなどから観光客を呼び込む4つの観光戦略を柱に34の事業を実施することを決定した。
田中会長は「一昨年のリーマンショック以降厳しい状況が続いていたが、韓国や中国からの観光客も増えている。九州観光も景気回復とともに復調するだろう」と期待を表明。退任にあたっては「2005年4月に会長に就任し、我が国初の広域組織としてスタートした。現在、第3次観光戦略策定の途上だが、新会長につなげたい」と述べ、石原新会長に今後を託した。
新年度事業では、来年3月の九州新幹線全線開業に向けた取り組みを中心に展開。九州を磨く戦略として、先進的な観光人材のネットワーク化と活用強化、第4回九州観光ボランティアガイド大会の開催、観光案内所のモデルづくり、外国人のもてなしWEBの充実、戦略的観光統計の構築、第3次観光戦略策定に必要な統計情報の収集などを行う。
国内誘致は旅行会社や鉄道・航空会社とのタイアップ事業を強化し、観光と食がテーマのイベントなどで大都市圏での情報発信力を向上。九州新幹線開業を見越し、首都圏、近畿圏・山陽新幹線沿線地域へのプロモーションを強化する。
具体的には旅行会社向けに「九州を旅する」のモデルコースを提案し説明会を開催。九州向けの旅行商品の拡充と個人、団体型商品造成への支援を行う。九州新幹線効果も九州全域に波及させる。
さらに修旅誘致強化や集客力のある観光素材集作成と「着旅」の情報発信、個人向けにHPのレベルアップとメルマガ発行などで情報発信を強化。大手ネット会社との提携も検討する。
海外誘致は韓国、中国、台湾、香港を中心に、タイ、シンガポールなどの東南アジアへも柔軟に対応。国別の特性に応じたPRを行う。上海万博へは九州地域戦略会議と共同で出展する。九州インバウンド・ビジネスフォーラムも開催する。
石原新会長は「九州には素晴らしい観光資源があり、観光王国に十分なりえる。地域間や、海外との競争に機構の役割は重要だ」と述べ、官民一体の推進を訴えた。