研究成果など発表、千歳大会に約80人(日本国際観光学会)
日本国際観光学会(香川眞会長=流通経済大学教授)は6月12、13日、第12回全国大会(千歳大会)を北海道千歳市で開き、研究者らが特別プレゼンテーション・研究発表したほか、千歳市近郊の視察会を行った。テーマは「変貌する経済状況と観光 打開の道、地方への提言は?」。地方開催は昨年の金沢大会(石川県)に次いで2回目で、開催地事務局を千歳観光連盟が担当。全国から約80人が参加した。
歓迎のあいさつに立った山口幸太郎千歳市長は、観光は今や国の重点施策の一つに位置付けられ、経済発展や地域振興にとっては欠かせない要素だとし、「課題も多いが、この大会で観光の大きな方向付けができれば幸いだ。期待したい」と述べた。
この後、香川会長が「新たな観光の視座」と題してスピーチ。インバウンドへの適切な取り組みや住民が主体となった観光まちづくりなどの重要性に触れながら、「いま一度、観光が世界の平和につながっていることの再認識をすることだ」と結んだ。特別講演は原祥隆国際観光サービスセンター専務理事による「観光の危機 打開の道は」。インバウンド振興には経済危機をはじめ多くの阻害要因があるものの、人材の活用と育成が不可欠とし、「国際力と専門力、現場力」の必要性を強調した。
午後は26のテーマについて、それぞれの研究者が特別プレゼンテーション・研究発表。このなかで千歳高校流通科の生徒たちも「地域との連携による商業教育の新しい可能性」について発表した。クーポンマガジン発刊やメーカーとタイアップした各種商品開発事例などを紹介。「地元の素材がプロデュース次第で宝石になる」とし、商業高校としての視点から地域活性化への可能性を示唆した。
同学会は産官学の観光関係者で1993年に設立された。会員は約400人。次回の開催は東京・東洋大学の白山キャンパス。テーマは「日本からの魅力発信」。期日は10月23日を予定している。