「浅間山」が5月12日に山開き、記念登山やイベントも
2018年5月10日(木) 配信
こもろ観光局(花岡隆理事長、長野県小諸市)は5月12日(土)、浅間山のシーズン幕開けとなる「山開き」と「記念登山」を行う。
山開き前日の11日(金)には、山の平穏と登山者の安全を祈願する神事を執り行う。12日(土)は天狗温泉 浅間山荘前でのセレモニー後、自由登山での「記念登山」を実施。「不動の滝」「かもしか平」などを通り「賽の河原」まで行く往復5時間程度の基本登山コース上には、浅間山特有の自然や風景が広がる。
山荘前では、「大浅間火煙太鼓による演舞」や「お神酒・トン汁の振舞い」、「小諸商工会議所青年部による物販」などを催し、登山シーズンの始まりを盛り上げる。参加者は山荘の無料駐車場を利用できる。このほか、小諸駅からは無料の送迎バス(千曲バス)も運行する。行きは小諸駅を午前7:20発、天狗温泉 浅間山荘前午前8:00着。帰りは天狗温泉 浅間山荘前午後3:00発で、小諸駅午後3:40着。
日本百名山でもある標高2568㍍の浅間山は、上信越高原国立公園にも指定されている自然豊かな山。かつて、神仏習合の修験の山として修験者たちが登拝した山としても知られている。現在、火口周辺への立ち入りは禁止されているが、1千種を超える高山植物や高山蝶、野生動物などを目当てに、「数多くの登山者たちが訪れている」(同局)という。
ころも観光局は今年4月に、登山を模した「小諸温泉山まっぷ」を制作した。標高差1400㍍の市内にある温泉の数々を「温泉山」に見立て、これを「湯覇」してもらうことをコンセプトに、8つの源泉と10の温泉を紹介。登山者をはじめとした観光客に無料で配布する。
□小諸市は浅間山唯一の登山口
登山コースは2つある。1つ目は天狗温泉 浅間山荘を起点に浅間山(前掛山)を目前に臨む「賽の河原」まで至る「火山館コース」。2つ目は、車坂峠を起点として花の百名山「黒斑山」から浅間山を一望できる「黒斑コース」となる。
これらの登山コースでは、浅間山特有の火山性地質や地形がつくり出す標高3千㍍級の景観を味わえる。足を延ばせば、外輪山の「蛇骨岳」「仙人岳」「鋸岳」なども楽しめる。「切り立った瓦礫の道を抜けた先には大迫力の浅間山が待っています」(同局)。
□登山者の安全を守るシステム「MAPS実証実験」も実施
山開き当日は、全国山の日協議会が「MAPS(※)実証実験および山開きキャンペーン」を行う。同キャンペーンでは、登山口の特設ブースで、出発前に「コンパスアプリ」を使って登山届を出し、アプリをダウンロードしていることを示せば、「日清チキンラーメン」1食をプレゼントする(先着360人)もの。浅間山のほか、6月には鳥取県大山夏山登山道、烏ヶ山ルートでも同キャンペーンを行う。
※ MAPSとは…登山者自動位置確認システム:Mountain Automatic Positioning System。登山道に設置された電子モジュールと登山者のスマートフォンにダウンロードされたアプリが更新し合い、登山者に対する歩行確認や各種情報の発信を行う仕組みのこと。
□天狗温泉 浅間山荘オーナーが語る山開きへの熱い想い
浅間山の玄関口として、長年にわたって多くの登山者を迎えてきた天狗温泉 浅間山荘・代表の山崎 幸浩さんは、「浅間山は日本有数の活火山だからこそ、その安全への取り組みは日本でもトップクラス。安心して登ることができる。山頂までは行けないが、記念登山のコースでもある賽の河原から望む浅間山本峰は圧巻。今だからこそ見ることができる山の姿や、春の風景をぜひ楽しんでほしい。天狗が浸かったため真っ赤な泉質になったとの伝説をもつ天狗温泉の赤湯は、筋肉痛にも効能がある。下山後に温泉で疲れを癒すのも登山の楽しみの1つ」と、今年の山開きに向けた想いを語った。
□長野県小諸市とは
長野県小諸市は、人口4万2641人(2018年1月1日現在)で雄大な浅間山の南斜面に広がる。市の中央部を千曲川が流れ、標高2千㍍から標高600㍍まで1400㍍もの高低差を持つ。
「懐古園」として知られる小諸城址は、春の桜、秋の紅葉など季節を通し数多くの観光客が訪れる。城郭は浅間山の火山灰土が雨で削られた谷を利用。城下町よりも低い位置にある日本で唯一の「穴城」として、日本百名城にも選ばれている。文豪、島崎藤村や高濱虚子のゆかりの地でもある「詩情あふれる高原の城下町」でもある。
小諸市へは、東京から約160㌔、車で2時間半・電車で約1時間半。軽井沢町からは「しなの鉄道」で24分、車で約30分となる。