No.256 今年新設の観光系学部 2 - 基礎力のある人材を育てる
今年新設の観光系学部 2
基礎力のある人材を育てる
2008年に観光庁ができ、「観光」が国の重要な産業としてクローズアップされているなか、全国の大学で観光系の学部・学科が新設されている。「観光」に関わる人材を育てるため、各大学は長期のインターンシップやマネジメント能力の育成など、独自の特色を打ち出している。今春、観光系の学部を新設した東海大学の松本亮三学部長と、阪南大学の吉兼秀夫学部長に、学部の特徴や、地域社会との関わりのなかでどのような人材を育てたいかなどを聞いた。
【伊集院 悟】
【東海大学 観光学部観光学科】
東海大学は今年4月、観光学部観光学科(定員195人)を新設した。2006年に全日本空輸(ANA)と共同で構想し、工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻を設置したノウハウを生かし、今回、国が強く押し出す「観光」をメインにした学部の開設に至った。
カリキュラムは、「観光文化」「サービス・マネジメント」「レジャー・レクリエーション」「地域デザイン」の4つの柱で構成。これらをコース分けではなく科目群とし、学生たちが自分の目指す進路や興味に応じて、自由に選択できるようにした。「観光文化」は、観光客の行動や観光資源の開発・保全・活用など、人類学・地理学・民俗学・心理学・ホスピタリティ論などを学ぶ。
【阪南大学 国際観光学部】
阪南大学は今年4月、1997年に新設した西日本の4年制大学で初の国際観光学科を、それまでの国際コミュニケーション学部から独立させ、国際観光学部(定員150人)としてリニューアルした。
吉兼秀夫学部長は「本来大学が担うべきジェネラリストの育成と、今まで専門学校が主に担ってきたスペシャリストの育成。阪南大学は、この2つを融合させたい」と教育理念について語った。
※ 詳細は本紙1389号または日経テレコン21でお読みいただけます。