観光立国教育を全国へ、神戸に関係者600人集う
第2回観光立国教育全国大会in兵庫が8月22日に、神戸芸術センターで開かれ、観光立国教育を進める行政や団体、観光関係者、教育関係者、全国の教員など計600人ほどが集まり、観光立国教育を全国に広げることを目的に、意見交換や交流が持たれた。また、観光立国教育賞と子ども観光動画大賞の表彰式や、パネルディスカッション、観光立国教育の模擬授業なども行われた。
舩山龍二大会会長(日本ツーリズム産業団体連合会会長)は、主催者あいさつで「2007年に制定された観光立国推進基本法では、地域住民が観光地形成の積極的な役割を担うことが謳われている。地域固有の資源に愛着と誇りを持つよう、学校教育のなかに『観光』を盛り込む意義は大きい」と述べた。
兵庫県の井戸敏三知事は「観光立国を実現するためには、地域住民自らが地域資源を学びアピールしていくことが大切。観光立国教育全国大会は、地域学習推進のよいアピールになる」と評価した。
観光立国教育賞の表彰式では、総務大臣賞を受賞した静岡市立玉川小学校(静岡県)4年生担任の山本新一先生が表彰された。授業では、玉川をキーワードにマインドマップを作成し、他地域との比較をするなど、玉川の魅力について学び、11月には、町の住民を集め、歴史散策コースやそば打ち体験コースなど4つのコースに分かれ、子供たちがガイドをする、玉川一日体験を予定。
続くパネルディスカッションでは「観光立国教育をすべての学校で」をテーマに4人が意見を述べた。観光庁観光資源課長の和田浩一氏は「地域を愛する心、旅をする心、旅人を受け入れる心がなければ真の意味で観光立国は実現できない」と強調した。JATA理事長の柴田耕介氏は「旅とはその地域のにおいをかぐもの」とバーチャル世界ではない旅の意義について話した。JNTO理事の寺西達也氏は、訪日前後の日本のイメージで、「日本人が親切」という項目が訪日前の28・9%から訪日後には37・8%に上がっているJNTO調査結果を紹介し、「日本人は世界から見ても礼儀正しく親切。これから外国人観光客と触れ合う機会はさらに増えるが、受け入れる寛容さを忘れないようにしたい」と語った。TOSS代表の向山洋一氏は、観光立国教育賞に触れ「先生が生き生きと教え、生徒が生き生きと学び、発信するメッセージも生きている。この教育が町づくりに繋がる」と評価した。
そのほか、南あわじ市立賀集小学校(兵庫県)の眞山和加子先生、加古川市立平岡北小学校(兵庫県)の小原嘉夫先生、美方郡香美町立兎塚小学校(兵庫県)の井上好文先生、玉川大学教職大学院の谷和樹准教授、長崎市立橘小学校(長崎県)の伴一孝先生が観光立国教育の模擬授業を行い、ポイントなどを紹介した。
観光立国教育賞受賞者は次の通り。
『観光庁長官賞』越前市立吉野小(福井県)4年生担任の上木信弘先生『兵庫県知事賞』篠山市立大山小(兵庫県)4年生担任の橋本拓真先生『観光立国教育全国大会会長賞』土庄町立豊島小(香川県)6年生担任の齋藤徳三先生『審査員特別賞』静岡市立清水袖師小(静岡県)6年生担任の杉山裕之先生▽北谷町立北谷第二小(沖縄県)3年生担任の比嘉真弓先生
子ども観光動画大賞受賞者は次の通り。
『観光庁長官賞』日光市立落合中(栃木県)3年生担任の岩井敏行先生『兵庫県知事賞』西播朝鮮初中級(兵庫県)4年生担任の許鍾萬先生『観光立国教育全国大会会長賞』横浜市立朝比奈小(神奈川県)6年生担任の西尾豊先生『グーグル賞』八幡浜市立喜須来小(愛媛県)2年生担任の前田英隆先生