世界の宿泊料2%増に、最高額はNYの2万円
エクスペディアグループで、オンラインホテル予約サイト世界大手のHotels.com(デイビット ロシェCEO、英国)はこのほど、2010年第2四半期(4―6月)の世界主要都市のホテル宿泊料金調査の結果を発表した。これによると、世界のホテル宿泊料金は前年同期比で2%上昇した。世界で最も宿泊料金が高い都市はニューヨークで、1泊平均2万67円だった。
同社は、世界で70のウェブサイトを展開し、月間約2千万人がアクセスしている。提携施設数は全世界で約12万軒。世界各地の言語や文化に合わせた予約サービスを運営しており、日本版サイトは08年11月に開設した。日本円で決済が可能なほか、日本語のコールセンターも設置している。
同調査は「Hotel Price Index」(HPI®)と呼ばれる宿泊料金の定期的な調査。同社のサイトから予約した旅行者が実際に支払った料金をまとめたもので、旅行機関や学界など業界の参照ツールとしても利用されている。大手ホテルチェーンからコンドミニアム、B&Bまで幅広い形態の9万1500施設を対象にしているため、最も総合的なホテル価格の世界基準だという。
9月13日の会見で、同社アジア・パシフィックマーケティングディレクターのアビラハム・チャウドリー氏は今期の特徴について、「7四半期連続で下落していたホテル料金がやっと安定し、リーマンショック後初の上昇となった。そのなかでも、アジア・太平洋地域は成長率が高く、ホテル料金も伸びている」と語った。
都市別の宿泊料金をみると、ニューヨークに次いでヴェネツィアの1万9751円、ワシントンの1万9284円、パリの1万9094円の順。著しく価格が上昇したのは、上海で1万2208円(前年同期比34%増)、次いでバンクーバーの1万7760円(同31%増)、シドニーの1万4051円(同28%増)だった。一方、料金が下落したのは台北で1万1783円(同18%減)、ミラノが1万5754円(同16%減)だった。
また、居住国外の宿泊で最も高い費用をかける旅行者の国別調査は、トップが米国で1万4689(国内旅行時は1万392)円、次いで日本の1万4342(同1万5038)円、ロシアの1万4342(同1万6226)円。
なお、同サイト利用の訪日旅行客が訪れる人気の都市トップ5は、東京、京都、大阪、成田、広島の順だった。同社の日本・韓国マーケティングマネージャーの吉原聖豪氏は、訪日外客が増えてくるなかで、「旅館の需要も増えている。今後は、日本旅館とも積極的に提携していきたいと考えている」とし、旅館へのアプローチを強化する予定だという。