日本酒の魅力を発信、高橋竹山氏の演奏も
「日本酒で乾杯推進会議」(石毛直道代表、2万5400会員)は9月30日、東京會舘(東京都千代田区)で総会とフォーラム、夕刻には懇親パーティーを開き、日本酒の魅力発信と交流をはかった。
「日本酒で乾杯推進会議」代表を務める国立民族学博物館名誉教授の石毛氏は冒頭「日本酒は人と人との縁を結び、連帯を強めるもの。日本料理はもとより、伝統工芸から、季節や年中行事、お祭り、日本文学である和歌や川柳、俳句、伝統芸能である落語や歌舞伎などまで、日本酒と日本文化は切っても切れない関係だ」と日本酒を通じた日本文化の見直しを訴えた。
総会では、「日本酒で乾杯運動」に貢献したとして「東京道産酒の会」の堀田良一氏、坂本春生氏、鈴木正明氏の3人に感謝状が贈られた。
「酒と芸能―日本のかたち、日本のこころ―」がテーマのフォーラムでは、民俗学者の神崎宣武氏が、国学・民俗学の先駆者である折口信夫氏が論じる日本の祭りの4つの構成(1)祈祷(2)直会(3)芸能(4)性の解放を紹介し、酒と芸能と祭りの関わりについて講演した。
津軽三味線演奏家の二代目高橋竹山氏による生演奏では、伝統と革新が入り混じる優美な演奏と歌で会場を魅了。即興の独創的な演奏では、会場中から割れんばかりの拍手が巻き起こった。
その後、竹山氏と日本子守唄協会理事長の西舘好子氏による対談で、初代高橋竹山氏の話や、継承にまつわる話、演奏への思いなどを掘り下げて紹介した。
総会、フォーラム後に開かれた懇親パーティーには450人ほどが集まり、56種類にも及ぶ日本酒と、日本酒を引き立てる豪華な料理がふるまわれ、日本酒が結ぶ「人と人との縁」を楽しんだ。