凸版が最先端技術で日本の魅力を世界に発信、6月7日に新拠点を開設
2018年5月30日(水) 配信
凸版印刷(金子眞吾社長、東京都千代田区)は6月7日(木)、日本各地にある国宝などの文化財や史跡、観光資産の魅力を最先端の表現技術で体験できる、情報発信と価値創造の共創拠点「NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI」を東京・丸の内に新設する。
同社は1997年から文化財のデジタルアーカイブデータの公開手法として、VR技術を用いた「トッパンVR」の開発に取り組み、これまでに国宝を含む国内外の重要文化財をテーマとしたVR作品を50本以上製作。2007年には、いち早く4K超高精細VRの開発・公開を行い、近年では12KVRやヘッドマウントディスプレイなど次世代VRの開発に取り組んでいる。また、全国の文化・観光資産のコンテンツ化においても、グループ全体で350件以上の実績があるという。
今回、この実績・ノウハウを生かし、日本における文化コンテンツのデジタルアーカイブを推進する拠点として本施設を新設。日本文化の魅力を世界に向けて発信し、理解を深めることで地方創生・観光立国の実現に貢献していきたい考え。
□新設の背景
世界各国で情報政策が進められているなかで、文化遺産や史跡など、文化情報の保存・活用にも注目が集まっている。とくに、欧州連合(EU)において公共文化施設の所蔵作品デジタルアーカイブのオープンデータ化が義務付けられた2013年の法改正は、その顕著な例として知られている。
日本には2000年を超える歴史があり、国宝・重要文化財指定史跡は1万3166件(※2018年5月1日現在)に及んでいるにも関わらず、その多くがデジタルアーカイブされていないのが現状。地方創生・観光立国で訪日外国人の増加を目指す日本にとって、食事や宿泊などのホスピタリティだけでなく、有形無形の文化財をデジタルアーカイブし、その魅力を世界に向け発信することが重要な社会課題となっている。
□施設の目的
施設の機能を活用し、新たなビジネスやプロジェクトを共創していく。
(1) 産官学連携で文化資産や観光情報をアーカイブしデータベースを構築、世界に向け情報を発信
(2) 高精細LEDウォールやVR、4K・8K映像、プロジェクションマッピングなどの先端表現技術を用い、日本が持つ全国の文化・観光コンテンツのデジタル体験を提供
(3) 未来の新しい観光の形をデザインし、地方創生を牽引する人財育成を支援
□施設詳細
○ オリエンテーション ラウンジ / ライブラリー
エントランスを入ると、高さ2.7㍍×幅10㍍の高輝度・高精細LEDウォールに美しい日本の風景を投影し、来場者を出迎える。また、日本各地の文化財や観光資源、名産品にまつわる写真集、書物、複製を集めたライブラリーを設置。書棚には8Kモニターを設置し、超高画質VR映像も上映する。
○ツーリズムギャラリー
日本全国の多様な地域で活用できる観光メディア手法を提案。全国の観光情報をデータベース化し、一覧して検索・閲覧できる大型サイネージや、プロジェクションマッピングなどを活用した展示手法を活用し、観光客がその地を何度も訪れたくなるよう地域の魅力を引き出す。
○VRシアター
4K3面カーブスクリーン方式を採用。没入感・臨場感あふれるバーチャルな日本文化体験を提供する。日本の文化財をテーマにしたトッパンVR作品を通じ、その魅力をナビゲーターがライブで解説する。
○VRテクノロジー ギャラリー
VRシアターで上演される「トッパンVR」のメイキングプロセスやデジタルアーカイブ技術と、高品位複製品の作成などその活用事例を紹介する。
○スーパープレゼンテーションルーム
55インチモニター16面を連動させた8Kディスプレイを採用。寺社、名勝、自然遺産、技術伝承・匠の技・伝統工芸など有形・無形に関わらない全国各地の観光資源を、臨場感のある高精細映像でプレゼンテーションできる。
○イベントルーム
最大100人まで利用可能なイベントルームでは、各種セミナーやシンポジウム、ワークショップなどを開催。日本の文化を発掘し、新しい観光コンテンツの価値を創出するネットワーク拠点として活用していく。
■ 本施設の概要
名称 | NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI |
所在地 | 東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F/2F |
開所日 | 2018年6月7日 |