営業益110億円増、大幅な増収益で黒字転換
JTBグループの2010年度上期(4―9月)の連結決算によると、売上高は前期比5・4%増の6095億円、営業利益は同110億円増となる57億円(前期は53億円の損失)、経常利益は62億円(前期は39億円の損失)、当期純利益は23億円(前期は53億円の損失)と、前期を大きく上回り黒字に転換し、大幅な増収増益となった。
円高による海外出国者数の増加、海外経済の好況による訪日外客数の増加、法人需要の持ち直しなどにより、中核である旅行事業は取扱額が同6・2%増、売上高が同5・6%増と、リーマンショック以前の水準には未だ達していないが回復基調にあることを示した。
海外旅行は、新型インフルエンザの反動もあり、日本人出国者数が大きく伸長し、取扱額が同20・3%増、売上高が15・2%増、取扱人員が7・4%増の170万7千人となった。個人では、「JTBグランドツアー&サービス」や「JTBメディアリテーリング」などが好調。団体は、上海万博の取り組み強化や法人需要が回復し前期を大きく上回った。
国内旅行は、旅行市場規模が縮小傾向のなかで取扱額は同1・9%減、売上高は同2・6%減となった。個人は、予約の間際化・直販化が進み、企画商品「エースJTB」宿泊単品販売が低迷。団体は、教育団体は前期を下回ったが、一般団体は堅調に推移し、取扱額はほぼ前年並みとなった。
10年度下期は、羽田空港の国際化、東北新幹線や九州新幹線の全線開業などの機会を活かし、通期の業績予想では、経常利益80億円を見込む。