【「清都」の清都みちる女将に聞く】バリアフリーに注力 高齢者や障害者に優しく
2018年6月3日(日) 配信
千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合「菜の花女将会」で会長を務めている割烹旅館「清都」の清都みちる女将に、活動の1つである「ハートフル事業」について話を聞いてみた。
【古沢 克昌】
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割烹旅館「清都」では、昨年「人に優しい地域の宿づくり賞」(主催=全旅連)で「厚生労働大臣賞」を受賞するなど「人に優しい宿づくり」に積極的に取り組んでいる。女将会では10年ぐらい前から勉強会を続けている「ハートフル事業」において、とくにここ1、2年強化しているのが、高齢者や障害を持つ方を想定したお宿のバリアフリーチェックだ。もちろん、オリンピック・パラリンピック、その後の事も踏まえてのことである。
清都女将は「県旅館組合では日本バリアフリー観光推進機構協力のもと実際に宿まで出向いて、段差や通路の幅、砂利道の有無などを計測して、車イスの人でも安心して利用できるかなど調べています。実際に車イスを利用している方も同行していますので、普段はなかなか気がつかない細かな点まで調査でき、チェックする側もされる側もたいへん勉強になっていると思います」と語る。
「ご存知のとおり、バリアフリーは車イスの方だけなく、いろいろな障害をお持ちの方がいらっしゃいます。施設によっては車イス以外の、例えば介助犬の扱いに慣れている宿であるとか、車イスを利用していなくても足腰の弱い高齢者にも優しい宿であるとか、宿泊施設を選ぶ際の参考になったら良いですよね」(清都女将)と話す。
こうした「ハートフル事業」の延長線上にあるのが、割烹旅館「清都」が現在も取り組んでいるハンディキャップを持つ人の就労支援に着目した活動だ。委託訓練校で勉強し、卒業した障害者を受け入れ、雇用機会を創出する。簡単にできるようで現実にはなかなかできない取り組みではないだろうか。
続けて清都女将は「女将会でのハートフル事業の活動は今後も継続して行っていきます。しかし、バリアフリーだけでなく、南房総地域の活動などにも積極的に取り組みたい。なかでも毎年7月に開催している白浜海女まつりはここだけしかない伝統的なお祭りです。伝統を守り、新しい事を取り入れ、発信し、少しでも多くのお客様が千葉そして南房総にお越しいただけるようになると嬉しいですね」とコメントした。