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旅館業の職業能力基準策定、全体の人材力底上げが目的

2011年1月1日
編集部

 厚生労働省は、職業能力を客観的に評価するための「職業能力評価基準」で、新たに「旅館業」と「施設介護業」の基準を策定し、昨年12月24日から中央職業能力開発協会のホームページ(http://www.hyouka.javada.or.jp/)で公開している。これまでに42業種で同基準を策定しており、仕事に必要な技術・技能、知識について4つのレベルを設定し、業種別、職種・職務別に整理・体系化している。

 今回、策定した旅館業は、主に和風様式の構造や設備を整え、宿泊サービスを提供する施設が対象。経営環境が厳しいなか、集客力を強化しコスト削減が重要な課題になる一方、人材確保や教育体制の構築といった問題も抱えている旅館業界の活性化をはかるのが目的。サービス向上で旅館全体の人材力底上げを目指す。ホテル業の基準については2004年に完成しており、NPO法人などで活用されている。

 基準の策定については全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会と国際観光旅館連盟、日本観光旅館連盟との連携で、包括的な委員会を設置して検討。旅館業の主要な職種として4職種・10職務を対象にした。職種と職務の種類は職種の「接客サービス」がフロントと客室、宴会・食堂、販売の4職務で、「調理」は1職種1職務、「営業・マーケティング」は営業・マーケティング、予約管理の2職務。「旅館管理」は経営管理と衛生・環境管理、施設・設備管理の3職務を用意した。

 また、レベルは4段階を設定。レベル1(担当者)は担当者として定例的な業務を確実に遂行するために必要な能力水準を求めている。例えば「接客サービス」のレベル1では、快適なロビー周辺の維持や客室への案内などの能力細目があり、必要な知識は自旅館の宿泊約款や外国語などが設定されている。

 レベル2の役職イメージは主任、チームリーダーでレベル3は課長やマネージャー、ベテランスタッフ(スペシャリスト)、またレベル4は本部長や部長など。

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