訪日韓国人52%増、中国は16%の減少
日本政府観光局(JNTO)がまとめた2010年11月の訪日外客数(推計値)は、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の影響を受け、中国が前年同月比15・9%減の6万8500人、中国漁船衝突事件に加え、マニラでの香港人バスジャック事件を契機とした外国旅行の手控えや円高の影響を受けた香港が同14・7%減の2万7400人と大幅に減少した。
全体では、羽田空港の国際線発着枠拡大や訪日旅行の広告・宣伝効果、景気の回復・好転などにより、同12・4%増の63万5千人と、09年11月以降13カ月連続で前年同月比は増加した。ただし、6月の同59・5%増など大幅な増加を記録していた10年のなかでは増加率が鈍化。11月単月で過去最高だった07年(68万6747人)と比べると、約5万1700人少なかった。主要15市場のうち、タイ、シンガポール、マレーシアは11月単月で過去最高を記録した。
1―11月の累計数では、前年同期比29・2%増の796万3300人。これまで過去最高であった08年1―11月の累計数(783万7481人)と比べ、約12万5800人多かった。
方面別では、景気回復や訪日旅行の宣伝効果、航空座席供給量の増加が影響した韓国が、同51・8%増の19万7200人と5割以上の大幅な伸びをみせ、09年11月以降13カ月連続で増加となった。タイは景気回復や航空便拡大、訪日旅行番組の放映効果などにより、32・2%増の1万8900人と、3割強の大幅増。同じく、景気回復や航空便拡大によりシンガポールが同18・8%増の2万3600人となった。そのほかの主要15市場では、台湾が同4・8%増の8万9400人、米国が同2・1%増の5万9100人、豪州が同12・1%減の1万5200人、英国が同1・1%減の1万5100人、ドイツが同19・7%増の1万2500人、カナダが同6・3%減の1万1600人、マレーシアが同14・2%増の1万1100人、フランスが8・6%増の1万1100人、インドが同5・2%増の5400人、ロシアが同11・9%増の5千人。