ITで、レンタカーの利便性を高める仕組みづくり
2018年6月5日(火) 配信
SNS(交流サイト)の普及により、これまで地元住民のみが知るスポットにも、FIT(個人旅行客)が押し寄せるようになった。インバウンドについても、リピーターの増加に伴い、地方部に赴く傾向が強まっている。国内の宿泊旅行(個人旅行)を見ると、旅ナカでレンタカーを利用した人の数は増加傾向にある【グラフ参照】。レンタカー事業者のなかには、ICT(情報通信技術)を活用し、ユーザーの利便性を高める仕組みづくりをするところも出てきた。
トヨタレンタカー(運営=トヨタモビリティサービス)は4月、オリジナルスマートフォン端末用アプリをリリース。予約返却だけでなく、旅先のグルメ・観光情報にもアクセスできる仕組みを整えた。プレミアムクラスと称し、高級車・レクサスのレンタルも始めた。インバウンドを意識したサービスだが、購入を躊躇している国内客にレクサスの乗り心地を知ってもらう意図もある。
トヨタレンタリース札幌の2店舗(札幌駅東店・札幌駅前店)では、SKB(スマートキーボックス)技術を活用し、24時間レンタルを実現した。専用のスマートフォン端末アプリをダウンロードすれば、店頭手続き不要でいつでも車を借りることができ、返却と精算も端末のみで済ませられる。
JR東日本レンタリース(JR東日本グループ)は昨年、IT大手のディー・エヌ・エー(DeNA)と提携。同社が保有するレンタカー車両をスマートフォン端末用アプリ(Anyca)で貸し出す実証実験を始めた。
6月からはエリアを拡大。ホテルメトロポリタン仙台イーストとホテルメトロポリタン山形、ホテルメッツ水戸、ホテルメトロポリタン盛岡NEW WINGでも、アプリのみでレンタカーを利用できる。6月30日(土)まで、5千円から利用可能。なお、専用アプリ(Anyca)をダウンロードすれば、提携先のDeNAが進める個人間カーシェアリングサービスを利用できる。