「上向きの流れキープを」、JATA 金井会長が新年会見
日本旅行業協会(JATA)は1月12日、2011年初の定例会見を開き、金井耿会長=写真=が今年の重点事業などを語った。金井会長は「昨年から上向いてきた流れをぜひキープしたい」と新年の抱負を語った。
昨年を振り返り「09年に比べれば回復のベースに乗った年だった。各種数字を見ても、各社の経営状況をみても背景にした実績が上がってきている。昨年の新年は反転攻勢の年にしたいといったが、きっかけはつかみ得た」と評価。これを踏まえ、今年は「流れをつなげ、基盤を固めていきたい。この勢いをどう強化するかが我われの課題。明るい要素を多く見つけ、有効に活用しながら需要増に向かっていくことが大切だ。言い訳材料を考えず、自らどう動くかをポイントにしていきたい。個人的には、21世紀の第2の10年の基調を決める年だと思う。今年の持つ重みもしっかり認識していきたい」と意気込みを語った。
JATAの事業については、具体的な事業計画は検討中としながらも「需要創出の強化」「事業環境変化への対応」「一般社団法人への移行」の3つを重点項目として提示。「従来からの需要創出をさらに強化することが大きなテーマ」とし、海外旅行の取り組みでは、一定の効果が上がっているビジットワールドキャンペーン(VWC)を1年継続することなどを語った。
一方、国内旅行は宿泊キャンペーン「もう1泊、もう1度」などを展開しているが「全体ではやや沈滞気味なので活を入れる必要がある。インバウンドを含めて上昇気流に乗せていく努力をしなければならない」と危機感を示した。インターネットでの宿の直予約などが台頭しているなかで、「旅行会社として本当にいいものをお客様に紹介していく。ただそのためには一定の価格が必要だ、という結びつきをどう説明できるかが我われの大きなテーマ。これを、CPのなかで新しい工夫ができないか訴求していきたい」と意欲を語った。
2点目については「会員会社の変化対応をアシストするための環境整備を行っていきたい」とし、具体的に約款改正の要望書を提出することなどを例にあげた。また、一般社団法人への移行については、4月1日の移行で準備を進めているという。さらに、補足として今年から委託先が変わる「JATA国際観光会議・世界旅行博(仮)」についても言及し、「一歩踏み出した会にしていきたい」と語った。