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10年訪日客861万人に、韓国54%増、中国41%増

2011年2月1日
編集部

 日本政府観光局(JNTO、間宮忠敏理事長)が1月26日に発表した、2010年の訪日外客数(推計値)は前年比26・8%増の861万1500人と、世界各国の景気回復や訪日旅行の宣伝効果、10月末からの羽田空港の国際定期便就航などによる追い風を受けた結果となった。

 前年比の伸び幅としては、この半世紀の間で、大阪万博が開催された1970年(同40・4%増)に次ぐ数値となり、重点15市場すべてで前年比増となった。

 地域別では、最大市場の韓国が、新型インフルエンザの流行や景気低迷で大きく落ち込んだ前年からV字回復をし、同53・8%増の243万9800人となった。次いで、地域別で台湾を抜いて2位に躍り出た中国が同40・5%増の141万3100人。好調な経済成長や訪日個人観光査証(ビザ)の発給条件緩和などの好影響を受け、爆発的な伸びを記録するも、10月以降は中国漁船衝突事件の影響で一転、落ち込んだ。

 そのほかでは、タイが同21・0%増で初めて20万人を突破し、シンガポールは同24・6%増と躍進。好調な経済を反映したドイツが同12・4%増と欧米で唯一の2ケタ増を記録し、経済成長著しいマレーシアが同27・9%増と過去最高の伸びを記録した。

 JNTOの間宮理事長は、目標の1千万人に139万人足りなかった結果を踏まえ、「リーマンショックや円高、尖閣問題、上海万博の影響で座席の供給量が足りなくなったことなどが原因」とした。

 また、重点15市場で訪日外客全体の90%以上を占めることを挙げ、「15市場の選定やプロモーションの効果は出ている」と話した。

 今後の課題としては、中国内陸地の需要の取り込み、中国個人客やリピーターへのプロモーション強化、ターゲットセグメントへのプロモーションの質向上、SNSやフェイスブックなどの新しい宣伝ツールの活用などを挙げた。

 11年に関して本紙の取材に対し、「中国・韓国の重要性に加え、中国の投機マネーで潤うマレーシア・タイ・シンガポールなどの東南アジア諸国がキーになる。訪日需要がなかなか回復しない米国も、今後の政治による日米関係強化によっては復活もありうる」と語った。

 一方、出国日本人数は同7・7%増の1663万7千人と、4年ぶりに増加した。

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